財務指標の計算式・意味
総資産÷月商(単位:ヵ月)
総資本=総資産
月商=売上高÷12
低ければ資産が売上高獲得に有効に活用されているといえる。
数値が高いほど悪いと評価される。
財務指標の理解の基礎知識
総資産回転期間は売上高と資産の関係の財務指標です。
売上高を上げるために必要な資産が少ないに越したことはないので、短いほど有利な指標です。
ただし、売上高は1年間の数字ですが、資産は毎年積みあがるものです。
キーエンスのように超優良企業の場合、しっかり設備投資しても配当してもお金が余り過ぎ金融資産が溢れます。
積年の金融資産が多すぎるため、総資本回転期間は数字としては悪い結果になってしまいます。
分母・分子の詳説
分母
分母:月商=売上高÷12
ヵ月の平均売上高です。
分子
分子:総資産(=総資本)
貸借対照表の左側の合計額(総資産)=右側の合計額(総資本)です。
時系列の動きをどう読むか
長期トレンドを確認する。
総資産回転期間は、分子である総資産が貸借対照表の合計額なので、問題を認識する人は少ないでしょう。
しかし、総資産の不用意な増加は将来思わぬ費用や損失を生む可能性があり避けなければなりません。
短期で見るより長期で見た方が傾向を認識しやすく改善が見込めます。
他の財務分析指標との関係性
総資産回転期間が改善した場合の事例です。
総資産の減少すると、貸借対照表の右も左も減ります。
不要な資産が減れば未来の費用が減り、余分な資本が減れば資本コストが節約でき費用が減ります。
営業効率改善が期待できます。
まとめ
- 1 数値が小さいほど、少ない資産で売上を獲得しているといえる。
- 2 月商は1ヵ月の売上高に対し、資産は年々積みあがるので、優良企業では、悪いことが多くあります。
- 3 不要な資産は将来費用になるケースもあり、余分な資本には資本コストがかかります。そのため、営業効率に関連します。
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