計算式・意味
棚卸資産÷月商(単位:ヵ月)
棚卸資産=商品+製品+仕掛品+その他棚卸資産
月商=売上高÷12
低ければ棚卸として寝ている在庫金額が少なく、効率は良いという評価。
低すぎるとサプライチェーンが滞り生産や販売がストップするリスクもあります。
財務指標の理解の基礎知識
資産は売上高を獲得するために運用されています。
棚卸資産は商品・製品など売上高を得るために欠くべからざる資産です。
しかし、多額の棚卸資産を持つとその資金を負担する必要がある上、保管コストや陳腐化・盗難リスクなどが増加するため、不利になります。
反対に少なすぎると、売り逃すリスクも高くなります。
売れ筋商品を適正量保有することが求められます。
分母・分子の詳説
分母
分母:月商=売上高÷12
1ヵ月の平均売上高です。
分子
分子:棚卸資産=商品+製品+仕掛品+その他棚卸資産
棚卸資産は貸借対照表の「流動資産」に記載されています。
時系列の動きをどう読むか
以下のオレンジ色のグラフはサンエーの棚卸資産回転期間です。
棚卸資産回転期間の縦軸は右側で、y軸は下向きになっています。
これは数値が小さいほど改善の指標なので、良くなると右肩上がりに見えるようにしています。
グラフは僅かな右肩下がりなので悪化トレンドといえます。
他の財務分析指標との関係性
棚卸資産回転期間が改善したとします。
棚卸資産は流動資産・運用ですから、改善は減少を意味します。
運用が減るとは調達も減らすことができます。流動負債・調達の短期有利子負債が減らすことができます。
仮に流動資産・流動負債が同額減れば流動性は改善する場合の方が多いです。
短期有利子負債を減らすと支払利息も減り営業効率が改善します。
棚卸資産が減ると、陳腐化リスクも減り営業効率が改善するかもしれません。
まとめ
- 1 棚卸資産を月商で割って計算します。
- 2 小さければ売れ筋商品が揃っており良いという評価になりますが、低すぎると販売機会を逃したり災害などでサプライチェーンが滞り生産・販売がストップするリスクもあります。
- 3 棚卸資産は流動資産に属するので流動性に関係します。棚卸資産が減って短期有利子負債が減ったとすると流動性が改善する場合が多い。
- 4 短期有利子負債が減ると営業効率が改善する可能性がある。
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