未成工事支出金とは

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未成工事支出金とは

建設業は建物やダムなどの公共設備の建設など、完成までに長期間を有します。

収益計上のタイミング等ほかの業種と同じ会計処理ができないため、「建設業会計」という独特の会計処理がなされます。

未成工事支出金は建設業会計で用いられる勘定科目で、まだ建物が未完成の工事にかかる支出を示します。

 

「未成工事支出金」というとイメージが湧きにくいですが、一般的な商業簿記に置き換えれば「仕掛品」です。

財務分析上は、未成工事支出金は棚卸資産の一つとなります。

 

企業力Benchmarker上の扱い 未成工事支出金は棚卸資産

企業力Benchmarker上は

棚卸資産合計=商品+製品+仕掛品+その他棚卸資産+未成工事支出金

として計算しています。

未成工事支出金も棚卸資産合計の1項目です。

イチケン 棚卸資産

上記の建設業を営むイチケンは、未成工事支出金のほかに販売用不動産や仕掛販売用不動産といった棚卸資産も持っています。企業力Benchmarker上は財務情報一覧表にて、上記右の表のように整理されます。

また、下記のように棚卸資産合計も掲示しています。

5,421+2,130+1,644=9,195(百万円)

未成工事支出金を多く持つ企業ランキング

未成工事支出金は建設業の仕掛品と言える項目です。

上場企業で5000社のなかから未成工事支出金を多くもつ企業をピックアップしました。

1位 鹿島建設株式会社(2024年3月期)         269,017百万円

2位 株式会社長谷工コーポレーション(2024年3月期)  266,156百万円

3位 積水ハウス株式会社(2024年1月期)        250,548百万円

企業力Benchmarkerで開発中のオプション検索では、このような細かな項目も全部検索できます。

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企業評価・経営者評価のスペシャリスト 山本純子
企業評価・経営者評価のスペシャリスト 山本純子
株式会社SPLENDID21 代表取締役。 多変量解析企業力総合評価「SPLENDID21」というシステムにより、通常の財務分析ではできなかった経営全体を「見える化」するシステムを提供。 近年では様々な企業が本手法を利用して莫大なデータより有用な情報を引き出し、実際の経営に役立てています。 代表者プロフィールはこちら
企業評価・経営者評価のスペシャリスト 山本純子
企業評価・経営者評価のスペシャリスト 山本純子
株式会社SPLENDID21 代表取締役。 多変量解析企業力総合評価「SPLENDID21」というシステムにより、通常の財務分析ではできなかった経営全体を「見える化」するシステムを提供。 近年では様々な企業が本手法を利用して莫大なデータより有用な情報を引き出し、実際の経営に役立てています。 代表者プロフィールはこちら
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