計算式・意味
売上総利益÷総従業員数(単位:円)
非製造業の場合、給与は売上総利益の下の販売費及び一般管理費に計上されます。
これを上回る給与は払えないため、1人あたり売上高が低いほど従業員の待遇が悪くなり採用が難しくなります。
財務指標の理解の基礎知識
1人あたり売上総利益、1人あたり経常利益は営業効率の影響を大きく受けるので、結果指標といえます。
そのため、従業員数の考察等は1人あたり売上高を利用するのが適切です。
分母・分子の詳説
分母
分母:総従業員数=正社員数+臨時雇用従業員の正社員換算数+役員数
企業力Benchmarkerでは役員数は加算していません。理由は規模が大きく影響が少ないこと、数字での開示がないためです。
臨時雇用従業員の正社員換算数は、
雑給÷平均時給÷正社員の平均年間勤務時間 など合理的な基準をつくり、毎期継続する。
分子
分子:売上総利益
売上総利益は売上高から売上原価を控除して計算します。
マイナスの時は売上総損失と言います。
文房具屋さんが60円で仕入れたボールペンを100円で売った場合、売上高は100円、売上原価は60円、売上総利益は40円です。
文房具屋さんのお店の家賃は、販売するためのお店を借りたコスト・販売費ですから販売費及び一般管理費に計上されます。売上原価にはなりません。
お店を出すために借金をして払う支払利息は、営業外費用となります。支払利息は財務のコストで営業のコストではないので、売上原価にはなりません。
時系列の動きをどう読むか
以下の黄色のグラフはあみやき亭の1人あたり売上総利益です。
1人あたり売上総利益はジワリとした改善トレンドで推移しコロナで悪化したのち、すぐに改善に転じました。
コロナの影響を受け2020年3月から従業員数を減らしはじめています。2020年3月時点で従業員数を減らすのは対応が早い方です。
他の財務分析指標との関係性
以下の黄色のグラフはあみやき亭の1人あたり売上総利益です。
1人あたり売上総利益は従業員数と営業効率の指標と関連します。
上記生産効率・営業効率の2グラフを見比べると一目瞭然です。
売上高総利益率が安定高位なので、会社は1人あたり売上高を管理すれば、1人あたり売上総利益も同じような改善トレンドになります。
つまり1人あたり売上高・売上高総利益率の適切な管理がなされていれば1人あたり売上総利益が良くなりますから、従業員待遇の改善等ができるようになり、優秀な人材が採用できます。
まとめ
- 1 売上総利益を従業員数で割って計算します。
- 2 売上総利益は営業効率の影響を受けます。
複数の生産効率の財務指標を統合した指標です