財務指標の計算式・意味
研究開発費÷売上高×100(単位:%)
研究開発費をどれくらいかけたか売上高の割合で示します。
売上高研究開発費比率が低すぎると新技術開発ができず、新製品が生み出せなくなり売上高、売上高総利益率が下がる可能性が高くなります。
財務指標の理解の基礎知識
研究開発費とは、企業や組織が新しい製品や技術の開発を行うために支出される費用のことです。
これには、研究者やエンジニアの給与、研究用機器や材料の購入、研究施設の維持費などが含まれ、損益計算書の「販売費及び一般管理費」の内訳として開示されます。
分母・分子の詳説
分母
分母:売上高
会社が事業の目的の活動した結果得られる収益です。
文房具屋さんは、文房具を売るのが主目的ですから、文房具が売れれば売上高になります。
スペースが空いていて、その場所を他の誰に貸して得られる賃貸収入などは主目的ではないので、営業外収益の項目に「受取賃貸料収入」等の勘定科目で集計され、売上高になりません。
火事を出して、保険金が支払われた時、収入になりますが主目的ではないので、特別利益の項目に「保険金収入」等の勘定科目に集計され、売上高になりません。
分子
研究開発費
時系列の動きをどう読むか
自社のみを分析する場合は売上高研究開発費比率の時系列推移をみる。
低すぎると新製品開発など将来支障が出る。
同業他社との比較分析では、研究開発費額の時系列も見る。
会社によって売上高は異なるので、売上高研究開発費比率が同じでも研究開発費額が全く違ってしまう。
大きなライバル会社と同額の研究開発費を支出するのは難しくても、その差を理解する必要がある。
他の財務分析指標との関係性
売上高研究開発費比率は時間のずれを起こしながら、売上高、売上高総利益率に影響する。
研究開発には時間がかかるものの、研究開発することで新製品・新技術が得られる可能性が高まる。
売上高研究開発費比率を高くしても結果が得られない場合もあり、研究開発方針を見直すことも有効。
まとめ
- 1 研究開発費をどれくらいかけたかを売上高の比率で示します。
- 2 率の指標ですが、売上規模が違うと研究開発費にかける総額は大きく変わります。
- 3 研究開発費比率は売上高・売上高総利益率に影響を与えます。
儲かるかの財務指標を統合した指標です