資本効率とは

Facebook
X
Email
Print
目次

財務指標の計算式・意味

計算式・意味

資本効率(単位:ポイント)は株式会社SPLENDID21の独自指標で、一般的な財務分析指標ではありません。
複数の資本利益率(利益÷資本×100)の財務分析指標を統合して1本のグラフにして赤緑の判別をおこなっています。
緑色ゾーンであれば良、赤色ゾーンであれば否、天井値(4ポイント程度)であれば最高水準、底値(-4ポイント程度)であれば、悪すぎることを示します。
一般的には黒字が良く赤字が悪いといわれますが、利益は売上総利益・営業利益・経常利益・当期純利益など複数あり、どの利益の赤字が問題なのかは個人の判断によります。
資本は総資本、自己資本などがあります。
黒字であっても資本利益率1%で満足する人もいれば5%でも不十分と思う人もいます。
一方、財務分析指標は他の財務分析指標に密接に影響を与えるためその影響も勘案しなければなりません。
資本効率は、複数指標や人の感覚の差等を統合し1本のグラフで示され、緑色ゾーン・赤色ゾーンにプロットされます。
なお、当社では営業効率・資本効率・生産効率・資産効率・流動性・安全性の同様の指標を親指標と呼んでいます。各親指標は業種別に判別計算しております。

セイコーグループ事例

以下のグラフはセイコーグループの資本効率です。
通期緑色ゾーン低い位置にありますが、2017年2021年悪化し翌期反転しました。
資本効率の低調と時々の悪化を把握します。

財務指標の理解の基礎知識

投下資本に対してどれくらい儲かるかに関連する財務分析指標を重みを付けて統合しています。
-4~4ポイントで評価されます。
通常、企業を見るときの人間の思考順序は、
「経営はどうなっているか、何か問題はないか、どうすれば良いか」の順番です。
経営はどうなっているかを企業力総合評価で把握したのち、親指標を確認し何か問題はないかを特定します。
どうすれば良いかは更に資本効率の財務指標・数値で特定します。
なお、当社では営業効率・資本効率・生産効率・資産効率・流動性・安全性の同様の指標を親指標と呼んでいます。

分母・分子の詳説

分母

該当なし

分子

該当なし

時系列の動きをどう読むか

右肩上がりは改善、右肩下がりは悪化、緑色ゾーンが良、赤色ゾーンは否です。
資本効率は変化を捉えることが大切です。
増減するポイント数、期間、うねり、傾向・反転も含め時系列で捉えます。
以下のグラフはセイコーグループの資本効率です。
通期緑色ゾーン低い位置にありますが、2017年2021年悪化し翌期反転しました。
資本利益率が全体的になぜ低調か、反発力の存在を把握します。

他の財務分析指標との関係性

以下はジョルダンの資本効率、財務指標グラフ・表です。
2014年は天井値でしたが悪化トレンドで2023年赤緑ゼロ判別地点になりました。
総資本経常利益率、純資産経常利益率、純資産当期利益率も悪化トレンドです。
資産合計は5,151百万円から5,705百万円、純資産合計は4,003百万円から4,660百万円です。
しかし、経常利益は612百万円から67百万円、当期純利益は380百万円から-196百万円激減しています。
資本効率は投下資本があまり変化しないのに利益が激減した為悪化しました。
資本は資産となって運用され売上高を生み利益を残しますので売上高・利益額(つまり営業効率)を見れば原因がわかります。
つまり営業効率の影響を受けます。

以下はジョルダンの営業効率、財務分析指標グラフ・表です。
減収の中、販売費及び一般管理費を減らすことができず、売上高営業利益率を大きく悪化させたのが原因です。

また資産と売上高の関係つまり資産効率の影響も受けます。

まとめ

併せて読みたい

総資本を使ってどれくらい経常利益を上げたかを評価する指標で、資本効率の下位の財務指標の1つです。

Facebook
X
Email
Print
山本 純子
山本 純子
株式会社SPLENDID21 代表取締役。企業評価・経営者評価のスペシャリスト。 多変量解析企業力総合評価「SPLENDID21」というシステムにより、通常の財務分析ではできなかった経営全体を「見える化」するシステムを提供。 近年では様々な企業が本手法を利用して莫大なデータより有用な情報を引き出し、実際の経営に役立てています。 代表者プロフィールはこちら
山本 純子
山本 純子
株式会社SPLENDID21 代表取締役。企業評価・経営者評価のスペシャリスト。 多変量解析企業力総合評価「SPLENDID21」というシステムにより、通常の財務分析ではできなかった経営全体を「見える化」するシステムを提供。 近年では様々な企業が本手法を利用して莫大なデータより有用な情報を引き出し、実際の経営に役立てています。 代表者プロフィールはこちら
関連記事

財務分析をしていて、本業以外で利益を獲得する企業に興味を持ったことはありませんか。この記事では、「財務体質の良い会社は運用資産・人にゆとりがあるため本業以外でも儲かる手段を持っているのではないか」という仮定に基づき、散布 […]

財務分析をしていて、研究開発費が高利益製品を生み出しているかどうかを同じ1つの図で確認してみたいと思ったことはありませんか。この記事では散布図を使って研究開発費と高利益製品の読み解き方について解説します。企業事例も4つ載 […]

財務分析をしていて、利益獲得と営業活動再投入を同じ一つの図で確認したいと思ったことはありませんか?この記事では、散布図を使って利益獲得と再投入の読み解き方について解説します。企業事例も4社載せています。 「利益獲得」「営 […]

財務分析をしていて、拡大志向と利益志向を同じ一つの図で確認したいと思ったことはありませんか?この記事では、散布図を使って拡大志向と利益志向を達成しているかどうかの読み解き方について解説します。企業事例も5社載せています。 […]

新着記事
カテゴリーで探す
目次