財務指標の計算式・意味
純資産合計÷(負債合計+純資産合計)×100(単位:%)
潰れにくさの指標で高く成れば改善を意味する。
純資産比率が高いということは負債の比率が少ないことを意味しデフォルトのリスクは下がります。
財務指標の理解の基礎知識
貸借対照表右側は調達を示し負債と純資産に分けられます。
負債は将来返済を迫られますが、早いもの、ゆっくりなもの様々で、早いものは流動負債、ゆっくりなものは固定負債の区分に分けられます。
純資産は、主に資本金と利益剰余金で返済は必要ありません。
資金調達全額のうち、返済の必要のない調達の割合を示す。
これが高いほど負債の比率は少なくデフォルトになりにくいといえます。
分母・分子の詳説
分母
負債合計+純資産合計
資金調達の全て。
分子
純資産合計
主に資本金と利益剰余金です。
時系列の動きをどう読むか
以下のグラフはサカイ引越センターの安全性財務指標グラフです。
オレンジ色折れ線グラフは純資産比率の推移で、安定した改善トレンドで、2023年には75%以上を達成しました。
他の財務分析指標との関係性
純資産比率は固定比率の影響を受けます。
以下のグラフはサカイ引越センターの安全性財務指標グラフです。
純資産比率は分子が、固定比率は分母が純資産なので、多くの場合同じような動きになります。ただし、純資産比率は大きければよい・固定比率は小さければよいなので、グラフのy軸は反対向きです。
固定長期適合率も同じようなことがいえますが、分母に固定負債があり、固定負債は純資産より変動しやすいため、関連性は弱いことが多くあります。
純資産比率と固定比率の計算式を見れば関連があることは理解できます。
純資産比率=純資産合計÷(負債合計+純資産合計)×100(単位:%)
固定比率=固定資産合計÷純資産合計×100(単位:%)
純資産比率の改善は営業効率・資産効率の影響を受けます。
サカイ引越センターの安全性と営業効率の関連を見てみましょう。
紺色の折れ線グラフは売上高当期純利益率です。増収(青色棒グラフ)の中、安定して高いので純資産が急増します。
営業効率は純資産比率に影響を与えます。
純資産比率と資産効率の関連は示しません。
まとめ
- 1 純資産比率は潰れにくさの財務指標で、高いほど潰れにくいといえます。
- 2 純資産を増加させると改善する可能性が高くなります。純資産は増資や利益剰余金の積み増しで改善します。そのため営業効率に関係します。
- 3 分母が大きく成れば悪化するので、資産の膨張等が原因となります。そのため資産効率と関連する可能性があります。
長期資金繰りと潰れにくさの財務指標を統合した指標。