財務指標の計算式・意味
固定資産合計÷純資産合計×100(単位:%)
資金が固定化される運用である固定資産は、返済の必要のない純資産で賄えれば良いといえます。
下がれば下がるほど良い指標で100%以下であれば良いが、そのような会社は少ない。
財務指標の理解の基礎知識
貸借対照表右側は調達を示し負債と純資産に分けられます。
負債は将来返済を迫られますが、早いもの、ゆっくりなもの様々で、早いものは流動負債、ゆっくりなものは固定負債の区分に分けられます。
純資産は、主に資本金と利益剰余金で返済は必要ありません。
貸借対照表の資産(左側)は運用を示し、流動資産と固定資産に分けられます(繰延資産もありますが取り上げません)。
資産の運用状態を示しますが、運用形態によって流動性は様々です。
流動性は「支払のしやすさ」です。
流動性が低い資産を固定資産と言います。
固定資産はなかなかお金にならないので、長期安定した資金を調達する必要があります。
長期安定した資金とは固定負債と純資産です。
中でも純資産は返済の必要がない資金です。
分母・分子の詳説
分母
純資産合計
主に資本金と利益剰余金です。
分子
固定資産合計
有形固定資産、無形固定資産、投資その他の資産にわかれ、資金が固定化される運用です。
時系列の動きをどう読むか
以下のグラフはサカイ引越センターの安全性財務指標グラフです。
黄色折れ線グラフが固定比率の推移で、安定した改善トレンドで、2021年には100%未満を達成しました。
他の財務分析指標との関係性
固定比率は固定長期適合比率に影響を与えます。
以下のグラフはサカイ引越センターの安全性財務指標グラフです。
黄色折れ線グラフが固定比率の推移で、安定した改善トレンドの中、固定長期適合比率も改善トレンドです。
固定比率と固定長期適合比率の計算式を見れば関連があることは理解できます。
固定比率=固定資産合計÷純資産合計×100(単位:%)
固定長期適合比率=固定資産合計÷(固定負債合計+純資産合計)×100(単位:%)
固定比率の改善は営業効率・資産効率の影響を受けます。
サカイ引越センターの安全性と営業効率の関連を見てみましょう。
紺色の折れ線グラフは売上高当期純利益率です。増収(青色棒グラフ)の中、安定して高いので純資産が急増します。
営業効率は固定比率に影響を与えます。
まとめ
- 1 資金が固定化される固定資産を、返済不要な調達である純資産で賄っているかを見る。
- 2 数値が小さいほど良いが100%未満の会社はまれです。
- 3 固定比率が改善すると固定長期適合比率も改善する場合が多くあります。
- 4 純資産は営業効率の影響を受けるため、固定比率も営業効率の影響を受けます。
長期資金繰りと潰れにくさの財務指標を統合した指標。