人件費合計とは
企業は、売上高などで得た収益をさまざまな経費として支出しながら、最終的に利益を残していきます。利益を多く残すことが企業経営の重要な課題であり、そのために経費をどのように配分するかが大きなポイント となります。
売上高を伸ばすためには、人・モノ・サービスに適切に資金を振り向ける 必要があります。その配分を決めるのは経営者の判断によるものですが、「人」にどれくらいの資金を投じたかを示す総額が「人件費合計」 です。
人件費は企業の成長戦略や競争力に直結する要素であり、適切な投資バランスを保つことが、持続的な利益確保の鍵となります。
財務諸表分析での着眼点
人件費合計は、企業の規模によって大きく異なる ため、単純な比較が難しいデータです。同じ企業を時系列で分析する場合でも、企業の規模が変化するため、そのままの数値では適切な比較ができません。また、他社との比較においても、規模や事業構造の違いが影響し、直接的な分析がしづらい傾向があります。
そのため、人件費合計を財務分析指標の基礎データとして活用し、「労働分配率」や「人件費率」などの指標を用いて考察する ことが一般的です。これらの指標を活用することで、企業の収益構造や生産性、人件費の適正度合いをより精度高く分析することが可能になります。
集計される勘定科目
企業力Benchmarkerでは、人件費合計額を以下の項目で構成しています。
- 役員報酬
- 給与
- 賞与
- その他人件費
- 法定福利費
- 福利厚生費
しかし、開示される勘定科目は企業ごとに異なる ため、統一的なデータとして取り扱うには慎重な判断が求められます。例えば、「雑給」と記載されている場合、それをどの勘定科目に分類すべきかが問題になります。
そのため、企業力Benchmarkerでは、勘定科目ごとのゆらぎを1つ1つ判断し、適切なカテゴリに割り当てる処理を行っています。 これにより、企業ごとの開示の違いを調整し、統一的な比較分析が可能となるよう工夫されています。
詳細は「役員賞与とは」「給与とは」「賞与とは」「その他人件費とは」「法定福利費とは」「福利厚生費とは」に記載しております。
まとめ
- 1人にどれくらいお金をかけたかの総額が人件費合計。
- 2 人件費合計は財務分析指標の基礎データとして使う。
- 3企業力Benchmarkerでは、人件費合計額は役員報酬・給与・賞与・その他人件費・法定福利費・福利厚生費
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人件費の中でも勘定科目のゆらぎが一番激しいのがその他人件費です。