財務指標の計算式・意味
従業員数が前期と比べてどの程度変動したかを示す指標です。
数値がプラスであれば従業員が増加し、マイナスであれば減少したことを示します。
増減自体に良し悪しはなく、他の指標との関係や増減の理由が重要な意味を持ちます。
よく似た指標である『初年度比』は、特定の期を基準とし、その後の各期の従業員数の変動割合を示す指標です。
財務指標理解の基礎知識
従業員数の計算
総従業員のページに詳しく記載していますからそちらをご覧ください。
財務諸表分析で必要な総従業員数を説明しています。総従業員数は生産効率の計算に必要な項目です。
従業員の増減理由
下記は、アシックスの総従業員数と従業員増加率のグラフです。
アシックスは2020年以降、総従業員数を減少させています。
「企業は人なり」という言葉があるように、グローバル企業であるアシックスは総従業員数が増加し続けるイメージを持たれがちではないでしょうか。
しかし、実際には従業員数は減少傾向にあります。

減収に伴い従業員数を減らす可能性もあるため、売上高の動向を調査しました。
下記は、アシックスの総従業員数と売上高のグラフです。
2021年以降、売上高(オレンジ色)は急激に増加していますが、総従業員数は減少しています。

従業員数を増やさずに増収を達成したり、逆に減らしながら増収を実現したりする企業も存在します。
近年では、DX(デジタルトランスフォーメーション)、ネット通販、ネットワークビジネスなど、人員を増やさないビジネスモデルを採用する企業が増加しています。
時系列分析と他の指標・数値との関連性
経常利益増加率のページに詳しく記載していますので、そちらをご覧ください。
経常利益増加率について説明しています。増加率4指標の関係も詳しく記載しております。
財務指標利用の注意点
経常利益増加率・売上高増加率は、ゼロ以上を青色ゾーン、総資本増加率・従業員増加率はゼロ以下を青色ゾーンと設定しています。
これは、総資本や従業員数が増加する(赤色ゾーンに入る)こと自体が必ずしも悪いわけでありません。
しかし、4つの指標すべてが赤色ゾーンに入る期は、企業の健全性に注意が必要であることを示します。
まとめ
- 1 従業員増加率は、従業員数が前期と比べてどの程度変動したかを示す指標です。
- 2増加率4指標の考察は縦軸の数値、赤色ゾーンか青色ゾーンかで判別します。
- 3 増加率指標が同じ動きをする場合、管理が良い・投資効果を得られる等の評価になります。逆に一致しない場合、社内の戦略や運営が統一されていない可能性があります。
- 4 DXやネット通販・ネットワークビジネス等人を増やさないビジネスモデルを採用する企業が増加しています。

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