当座資産合計とは
当座資産とは、BSの流動資産に計上される項目のうちの、現金預金、売上債権、一時所有の有価証券の合計のことです。これらは早期に現金預金に換金できることから、緊急時の資金繰りに対応できる資産といえます。
当座比率という財務指標を用いることで、短期の債務返済能力を確認することがきます。
当座比率=当座資産合計÷流動負債×100
本稿では、当座資産合計について解説していきます。
「当座資産」という呼称でも現金預金、売上債権、一時所有の有価証券の合計であるといえますが、ここでは合計値であることをわかりやすくするために「当座資産合計」と呼称します。
実はBS上には直接的な値が載っていない当座資産合計
当座資産合計は、実はBSに値が載っていません。
現金預金、売上債権、有価証券が別々に並んでいますので、それらを合計する必要があります。
しまむら(2024年2月期)の場合の当座資産は、
161,235+12,349+109,600=283,184 (百万円)となります。
企業力Benchmarkerでは当座資産を自動計算・開示
自動計算で当座資産に含まれる範囲
企業力Benchmarkerにおける当座資産合計の算出計算式は以下のようになります。
当座資産合計=現金預金+売上債権(売掛金+受取手形、電子債権+その他)+有価証券+その他当座資産
当座資産合計の開示場所
売上債権のページでも詳述しているように、「売掛金」といったシンプルな勘定科目でなくとも売上債権の性格を持つ勘定科目はたくさんありますので、企業力Benchmarkerではそれらも含めて合計しています。
また、「当座資産」には厳密には、現金預金にも売上債権にも一時保有目的の有価証券にも該当しないものがあります。数十種類ありますが企業力Benchmarkerではそれらも当座資産に含められるよう、BSの勘定科目として「その他の当座資産」を設けています。
冒頭で述べたように、当座資産合計は短期の債務返済能力を測る「当座比率」として財務指標の計算に使われます。当座比率は「流動性」カテゴリに属しますので、企業力Benchmarkerでは以下の場所に記載しています。
記載場所:
財務情報一覧表
→流動性カテゴリ (注:BSや資産効率には載っていません。)
当座比率は企業の支払い能力を判断するために用いる経営指標の1つです。企業事例(ソーダニッカ)を用いて解説します。