営業外費用合計とは
営業外費用合計は損益計算書における営業外損益区分のなかの費用部分の合計額をいいます。
損益計算書は営業損益区分・営業外損益区分・特別損益区分の3つに分かれています。
営業外損益区分は、文字通り営業以外の活動から生まれた損益を収益・費用に分けて集計します。
営業外費用は、貸借対照表の費目から派生して生まれた費目が多くあります。借入金から生じる支払利息、関連会社の有価証券から生じる持分法投資損失、自己株式取得に際して生じる自己株式購入費等です。
営業外収益＞営業外費用であれば営業利益＜経常利益となり、
営業外収益＜営業外費用であれば営業利益＞経常利益となります。
最近の企業では余資運用が活発で、営業外収益の勝る会社が多く見受けれます。
企業事例
日本基準の連結損益計算書の表記 イー・ロジット
下記はイー・ロジットの連結損益計算書の表示です。イー・ロジットは日本基準を採用しています。日本基準では営業外費用は内訳を示し合計額を算出して開示されます。
金融業を営む日本企業の連結損益計算書の表記
下記は三井住友銀行の連結損益計算書の表示です。三井住友銀行は日本基準を採用しており、金融業を営んでいます。金融業は財務活動そのものが営業活動の会社なので、一般商工業のように営業活動は営業利益までに記載し、財務活動は営業外費用に記載するという区分ができません。企業力Benchmarkerでは、経常費用を全て売上原価か販売費及び一般管理費とし、営業外費用区分は金額はありません。したがって営業外費用合計も把握しません。
米国基準の連結損益計算書の表記 富士フイルムホールディングス
下記は富士フイルムホールディングスの連結損益計算書の表示です。富士フイルムホールディングスは米国会計基準を採用しています。営業外収益及び費用の区分があり、収益費用は同じ区分に記載されているので△のついた費目の費用を合計し、営業外費用合計を把握しています。
IFRS採用の連結損益計算書の表記 ワールド
下記はワールドの連結損益計算書の表示です。
ワールドはIFRSを採用しています。営業外費用に該当するのは「金融費用」というただ1行だけです。日本基準では営業外収益または費用に計上される「持分法による投資損益」は、IFRSでは営業利益の上に計上されています。ワールドは「持分法による投資損益」も営業利益と認識する方針なので、企業力Benchmarkerでは、営業外費用へ組み替えはしていません。なお、IFRSの場合、営業利益の下に「持分法による投資損益」を掲記する会社もあります。
金融費用は全額を「その他営業外費用」として把握し営業外費用合計を計算します。金融費用を支払利息として把握しない理由は「支払利息とは」に記載しています。
まとめ
- 1 営業外費用は財務活動から生じ、貸借対照表を起源に生じる費目が多い。
- 2 営業外収益＞営業外費用の会社は営業利益＜経常利益になる。BSに稼がせているといえる。
- 3 日本基準は営業外費用合計が開示される。
- 4 日本基準あっても、金融業の営業外費用合計はBenchmarkerでは認識しない。
- 5 米国会計基準では営業外収益及び費用は混合で開示されるため、営業外費用合計は集計して把握する。
- 6 IFRSでは営業利益以下税引前当期純利益までに開示された費用を集計して営業外費用合計とする。
営業外損益区分にある営業外収益の合計額。
