財務指標の計算式・意味
計算式・意味
(企業力総合評価−60)÷増減総合評価×-1 (単位:年)
企業の余力(企業力総合評価-60がプラス)を当期の増減総合評価で割り、瞬間風速での企業余命を示します。
今期と同じだけ総合評価が下がればあと何年で破綻懸念領域かを示します。
企業力総合評価が60ポイント以上かつ増減総合評価がマイナスのとき計算されます。
翌期、改善行動をとれば、指標は改善するので、悪化成り行き倍率1年をつけたから必ず翌期倒産するということではありません。
適切な危機感を持つための指標です。
良品計画事例
以下のグラフは良品計画の企業力総合評価と悪化成り行き倍率です。
悪化成り行き倍率はグラフが右肩下がりの年にその期と同じトレンドで企業力総合評価を減らしたら60ポイント以下の破綻懸念に到達するかの年数を示します。
2020年良品計画は企業力総合評価を33ポイント悪化させ、破綻懸念ラインまであと71.8ポイントですので、悪化成り行き倍率は2.2年となり危機的状況でした。
悪化成り行き倍率を確認せず、2020年の1年だけの財務諸表分析指標しか考察しなければ、この危機感は生まれず、2021年反転できなかったかもしれません。
財務指標の理解の基礎知識
企業力総合評価を利用した指標です。
前提として企業力総合評価とは何か知識が必要です。
分母・分子の詳説
分母
分母:増減総合評価=当期企業力総合評価−前期企業力総合評価(単位:ポイント)
分母がマイナス、つまり当期企業力総合評価<前期企業力総合評価の時に計算されます。
この状況は、企業力総合評価が悪化していることを示し、このまま同じトレンドで悪化し続けたらあと何年で破綻懸念に行くかを計算するための分母です。
分子
分子:企業力総合評価-60(単位:ポイント)
分子がプラス、つまり当期企業力総合評価が60ポイント以上・破綻懸念より上にあるの時に計算されます。
この状況は、企業力総合評価が破綻懸念より上にとどまっていることを示し、今期同じトレンドで悪化し続けたらあと何年で破綻懸念に行くかを計算するための分子です。
系列の動きをどう読むか
悪化成り行き倍率が時間の経過以上に数値が小さく成れば良く、企業力総合評価が右肩上がりに転じて計算されなくなれば更に良い。
時間の経過以上に数値が大きくなれば悪化、企業力総合評価が60ポイント以下になり計算されなくなれば更に悪い。
他の財務分析指標との関係性
記載しない。
まとめ
- 1悪化成り行き倍率は、経営状況の悪化を定量的に表示します。
- 2破綻懸念までの年数という指標を示すことで危機感を醸成します。
- 3もし、今期と同じくらい企業力総合評価が悪化したらという前提で瞬間風速での企業余命を意味します。必ず破綻するという年数ではありません。
企業の成長は「倒産から遠ざかること」と定義した指標