財務指標の計算式・意味
売上高÷総従業員数(単位:円)
業種により違いが大きいことが特徴。
基本的にこれを上回る給与は払えないため、一人あたり売上高が低いほど従業員の待遇が悪くなり採用が難しくなります。
財務指標の理解の基礎知識
1人あたり売上総利益、1人あたり経常利益は営業効率の影響を大きく受けるので、結果指標といえます。
そのため、従業員数の考察等は1人あたり売上高を利用するのが適切です。
分母・分子の詳説
分母
分母:総従業員数=正社員数+臨時雇用従業員の正社員換算数+役員数
企業力Benchmarkerでは役員数は加算していません。理由は規模が大きく影響が少ないこと、数字での開示がないためです。
臨時雇用従業員の正社員換算数は、
雑給÷平均時給÷正社員の平均年間勤務時間 など合理的な基準をつくり、毎期継続する。
分子
分子:売上高
会社が事業の目的の活動した結果得られる収益です。
文房具屋さんは、文房具を売るのが主目的ですから、文房具が売れれば売上高になります。
スペースが空いていて、その場所を他の誰に貸して得られる賃貸収入などは主目的ではないので、営業外収益の項目に「受取賃貸料収入」等の勘定科目で集計され、売上高になりません。
火事を出して、保険金が支払われた時、収入になりますが主目的ではないので、特別利益の項目に「保険金収入」等の勘定科目に集計され、売上高になりません。
時系列の動きをどう読むか
以下のオレンジ色のグラフはダイキン工業の1人あたり売上高です。
1人あたり売上高は2022年に改善し始めましたが、それ以外に注目する点があります。
10年間毎期従業員数が増加しているのに1人あたり売上高が安定している点です。
財務分析指標の性質上、従業員数を減らせば1人あたり売上高は改善します。
1人あたり売上高が維持・改善といっても従業員増加と減少と全く意味が違います。
他の財務分析指標との関係性
PL構造を説明した売上高・売上総利益・経常利益の順番を見て下さい。
上から費用・収益を加減算しながら計算していきます。
従業員数は同じですから1人あたり売上高は1人あたり売上総利益・1人あたり経常利益に影響を与え、1人あたり売上総利益は1人あたり経常利益に影響を与えます。
売上高・売上総利益・経常利益は営業効率で決まるで、1人あたり売上高も影響を受けます。
営業効率と生産効率に指標は密接です。
以下はダイキン工業の営業効率、財務分析指標グラフです。
2022~2023にかけて増収が大きく、1人あたり売上高が急改善しています。
売上総利益額、経常利益額も改善しており、生産効率の指標に影響します。
まとめ
- 1 売上高を従業員数で割って計算します。
- 2 業種により差異が大きい。
- 3 従業員が増加しながら1人当たり売上高が改善する場合と従業員を減らして改善する場合と意味が異なる。
- 4 1人当たり売上総利益・1人当たり経常利益は営業効率の影響を受ける。
- 5 テキスト
- 6 テキスト
- 7 テキスト
複数の生産効率の財務指標を統合した指標です