深海の資源に挑む古河機械金属──財務健全性と未来戦略の両立

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古河機械金属が、地上鉱山技術を応用し深海のレアアース採掘に挑む。JOGMECと連携し試作機を開発、特許数は国内トップ級。米政権の支援姿勢も後押しに。日本EEZ内の資源発見や大平洋金属の事業化計画など、商用化への機運が高まっている。

財務の視点から見ていく。研究開発費(赤棒)増加は売上高総利益率(オレンジ)を改善させる効果を持つが、販売費及び一般管理費比率(黄)を悪化させる。逆もその逆です。
古河機械金属は、研究開発費(赤棒)を抑制することで、売上高総利益率(オレンジ)が低下する傾向にありましたが、同時に販売費及び一般管理費比率(黄)も低く抑えることに成功し、結果として売上高営業利益率(水色)は堅調に維持されてきました。

未来への投資にはやや控えめな姿勢ながら、その堅実なオペレーションによって企業の財務体質は着実に改善。企業力総合評価も上昇トレンドにあり、「攻め」に転じる準備は整いつつあります。

さらに、トランプ政権による対中国政策が深海資源開発に追い風を与える可能性も。世界的な資源獲得競争が激化する中、古河機械金属の次なる一手に大きな注目が集まります。

#深海資源 #レアアース #古河機械金属 #研究開発戦略 #財務健全性 #地政学リスク #資源安全保障

 

250703古河機械金属研究開発費・営業効率財務指標数値
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山本 純子
山本 純子
株式会社SPLENDID21 代表取締役。企業評価・経営者評価のスペシャリスト。 多変量解析企業力総合評価「SPLENDID21」というシステムにより、通常の財務分析ではできなかった経営全体を「見える化」するシステムを提供。 近年では様々な企業が本手法を利用して莫大なデータより有用な情報を引き出し、実際の経営に役立てています。 代表者プロフィールはこちら
山本 純子
山本 純子
株式会社SPLENDID21 代表取締役。企業評価・経営者評価のスペシャリスト。 多変量解析企業力総合評価「SPLENDID21」というシステムにより、通常の財務分析ではできなかった経営全体を「見える化」するシステムを提供。 近年では様々な企業が本手法を利用して莫大なデータより有用な情報を引き出し、実際の経営に役立てています。 代表者プロフィールはこちら
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