通信費とは

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目次

通信費とは

通信費とは、インターネットや電話など、情報通信に関連するサービスを利用するために支払う費用のことです。具体的には、携帯電話料金・インターネット接続料金・固定電話料金・モバイルデータ通信費などです。

財務諸表分析手法 通信費

通信費は伸びない セコム

下グラフはセコムの通信費とそれ以外の販売費及び一般管理費の初年度比です。

赤グラフは売上高ですから、これの上にプロットされている賃借料・減価償却費・その他販売費及び一般管理費はよりコスト高になっています。下にある通信費はよくコストが抑えられていると読めます。

昨今の通信費コストダウン提案が数字に表れています。他の多くの企業でも同じ傾向があります。

 

セコム 通信費 販売費及び一般管理費 初年度比10年グラフ
計算式
初年度比=当該年度÷初年度×100(単位:%)
注意点:初年度は異常値でないことが条件。

通信費はどこに載っているか

いざ、「通信費について自分で分析しよう!」と思ったときに気を付ける必要があるのが、開示の有無です。

前提として、通信費は「販売費および一般管理費」の1項目です。

このような販管費の内訳項目は、開示の有無や開示場所が複雑ですので、解説していきたいと思います。

分析する企業によっては、そもそも非開示で分析できない場合もありますので注意が必要です

賃借料がPL本表に載っているケース

非上場企業の一般の決算書で通信費は基本的に独立掲記されています。

有価証券報告書を提出する企業(上場企業等)では、通信費をPL本表で開示しているのは約2%(約80社・2024年)です。残りの約98%の企業ではPL本表には載っていません。そのような企業であっても、通信費が販売費及び一般管理費合計の概ね10%以上の場合などは注記としてPL本表の数ページ後に開示されています。

なお、企業力Benchmarkerでは、PL本表で開示されている通信費は値を取得していますが、注記のみで開示されている場合には値を取得していません。

以降の章では、有価証券報告書を提出する企業について会計基準ごとに解説します。

日本基準を採用する企業の場合

通信費をPL本表で開示する約80社は、会計基準として「日本基準」を採用しています。ドメスティック産業を主軸とする企業などは、ステークホルダーにも馴染みの深い日本基準で財務諸表を開示することが多いです。

ただ、日本基準を採用しているものの、通信費を含む販管費内訳項目をPL本表で開示していない企業もたくさんあります。その場合は注記を確認しましょう。

KeePer技研は通信費をPL本表に掲記しています。ほぼ全ての勘定科目を積極的に開示しています。

Keeper技研販売費及び一般管理費 日本基準 個別PL
Keeper技研販売費及び一般管理費 日本基準 個別PL

米国会計基準を採用する企業の場合

次に、米国会計基準を採用する企業についてです。前述のとおり、日本基準採用の企業でしかPL本表に通信費の開示はありません。

米国会計基準では「販売費及び一般管理費」の値のみが本表に載っています。通信費の開示の有無については、各注記を確認していく必要があります。

なお、別の論点となりますが、米国会計基準では販管費及び一般管理費の額とは区別して、研究開発費が独立掲記される場合も多いです。

富士フイルムホールディングス 営業利益まで 米国会計基準
富士フイルムホールディングス 連結PL 米国基準 

IFRSを採用する企業の場合

次に会計基準でIFRSを採用する企業についてです。IFRS(国際会計基準)は、グローバル展開する企業が採用する傾向にあります。世界的に認知されている会計基準ですので、海外投資家や海外の企業をステークホルダーに持つ場合は、IFRSを採用するメリットがあります。

IFRSを採用する企業はおおむね以下のような表記になり、連結PL本表には通信費は表記されていません。注記を確認しに行く必要があります

ワールド IFRS連結損益計算書 営業利益まで
ワールド 連結PL IFRS

まとめ

併せて読みたい

販売費及び一般管理費合計について説明します。

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山本 純子
山本 純子
株式会社SPLENDID21 代表取締役。企業評価・経営者評価のスペシャリスト。 多変量解析企業力総合評価「SPLENDID21」というシステムにより、通常の財務分析ではできなかった経営全体を「見える化」するシステムを提供。 近年では様々な企業が本手法を利用して莫大なデータより有用な情報を引き出し、実際の経営に役立てています。 代表者プロフィールはこちら
山本 純子
山本 純子
株式会社SPLENDID21 代表取締役。企業評価・経営者評価のスペシャリスト。 多変量解析企業力総合評価「SPLENDID21」というシステムにより、通常の財務分析ではできなかった経営全体を「見える化」するシステムを提供。 近年では様々な企業が本手法を利用して莫大なデータより有用な情報を引き出し、実際の経営に役立てています。 代表者プロフィールはこちら
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