財務指標の計算式・意味
短期有利子負債合計とは、1年以内に返済または償還が予定されている利息付きの負債の総額を指します。企業の短期的な資金繰りや返済能力を評価する上で重要な財務指標の一つです。
この項目には、以下のような負債が含まれます:
短期借入金:1年以内に返済期限が到来する借入金。主に運転資金として利用されます。
1年以内返済予定の長期借入金:もともと長期で借り入れたもののうち、当該年度内に返済が予定されている部分。
1年以内償還予定の社債:社債のうち、1年以内に償還期限を迎える部分。
短期リース債務:ファイナンス・リースにおける1年以内の支払い義務。
その他短期有利子負債:上記に含まれない短期的な利息付き債務(例:信販系ローン等)。
割引手形:期日前に金融機関に売却した手形であり、支払い義務が残っているもの。
短期有利子負債が多い場合は、資金繰りへの圧力が増す可能性があるため、企業の財務健全性を判断するうえで注意深く分析する必要があります。
財務指標理解の基礎知識
短期有利子負債は、貸借対照表上の流動負債に分類され、短期的な資金調達手段として位置付けられます。そのため、返済期間は1年以内であるため、企業の資金繰りに対する即時の負担は大きい傾向があります。
下記の例では、流動資産が3,000に対して、流動負債は2,000であるため、流動負債の返済に大きく困ることはなさそうです。

時系列分析と他の指標・数値との関連性
下記は、短期有利子負債と棚卸資産および売上債権の合計額の時系列グラフです。通期、棚卸資産と売上債権の合計額の増減と短期有利子負債の増減は概ね一致しています。例外はあるものの、短期有利子負債は運転資金の調達を目的とするケースが多いためです。


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財務指標利用の注意点
下記は、AGCの流動負債の内訳を示したものです。多くの企業において、短期有利子負債は流動負債の一部に過ぎず、短期有利子負債を計上していない企業も存在します。

長期有利子負債について説明しております。