財務指標の計算式・意味
計算式
総資本増加率 = (当期総資本 - 前期総資本)÷前期総資本×100(単位:%)
総資本が前期と比べてどの程度変動したかを示す指標です。
数値がプラスであれば総資本が増加し、マイナスであれば減少したことを示します。
増減自体に良し悪しはなく、他の指標との関係や増減の理由が重要な意味を持ちます。
よく似た指標である『初年度比』は、特定の期を基準とし、その後の各期の総資本の変動割合を示す指標です。
財務指標理解の基礎知識
総資本とは
総資本とは、貸借対照表の右側(負債と純資産の合計)を指します。
よく似た概念として総資産があります。
貸借対照表では左右の金額が一致するため、総資産と総資本は同じ値となります。
そのため、総資産が増加すれば、総資本も同額増加する関係にあります。
総資産は借方(左側)の概念であり、総資本は貸方(右側)の概念です。
ただし、実務上はこれらを厳密に区別する必要はなく、神経質になる必要はありません。

総資本の増減の意味
資産の多くは将来的に費用として計上されるため、不必要に保有すると将来の利益を損なう可能性があります。
負債は将来的に返済義務が生じ、金利負担を伴います。
純資産は配当の支払いにつながります。
これらは、単に多ければ良いというものではなく、必要性や収益を生むかどうかといった内容も重要な要素となります。
時系列分析と他の指標・数値との関連性
経常利益増加率のページに詳しく記載していますからそちらをご覧ください。
併せて読みたい
経常利益増加率について説明しています。増加率4指標の関係も詳しく記載しております。
財務指標利用の注意点
経常利益増加率・売上高増加率は、ゼロ以上を青色ゾーン、総資本増加率・従業員増加率はゼロ以下を青色ゾーンと設定しています。
これは、総資本や従業員数が増加する(赤色ゾーンに入る)こと自体が必ずしも悪いわけではありません。
しかし、4つの指標すべてが赤色ゾーンに入る期は、企業の健全性に注意が必要であることを示します。
まとめ
- 1総資本が前期と比べてどの程度変動したかを示す指標です。
- 2 増加率4指標の考察は縦軸の数値、赤色ゾーンか青色ゾーンかで判別します。
- 3増加率指標が同じ動きをする場合、管理が良い・投資効果を得られる等の評価になります。逆に一致しない場合、社内の戦略や運営が統一されていない可能性があります。

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