財務数値の意味
資本金とは、企業が株主からの出資によって調達した金銭や資産のうち、会社法に基づき「資本金」として計上される部分を指します。会計上は、貸借対照表の純資産の部に表示され、会社の財務基盤を構成する重要な要素の一つです。新株発行等により調達した資金のうち、会社法で定められた範囲(原則として払込金額の2分の1以上)を資本金として計上することが求められています。
財務指標理解の基礎知識
資本金は、企業の財務において最も基本的かつ重要な自己資本の一部であり、企業の設立時や増資時に株主から払い込まれた出資金のうち、法的に資本金として計上される部分を指します。
企業財務における資本金の主な意味は以下のとおりです:
信用力の基盤
資本金の額は、企業の財務的な信頼性や安定性を示す指標の一つとして、取引先や金融機関から評価されます。特に創業時や資金調達の場面では、資本金の額が信用判断に影響する場合があります。損失吸収のクッション
資本金は、企業が損失を被った際の初期的な損失吸収源となります。企業が継続的に営業損失を計上した場合でも、資本金が十分にあれば、一定期間の耐性を持つことができます。自己資本比率への影響
資本金は自己資本の一部であるため、企業の自己資本比率の計算にも寄与し、財務健全性の評価において重要な役割を果たします。
時系列分析と他の指標・数値との関連性
下記はユーグレナの資本金・資本剰余金・利益剰余金の推移を示したグラフです。資本金と資本剰余金は積み上げ棒グラフで、利益剰余金は折れ線グラフで表現しています。積み上げグラフからは、同社が積極的に増資を行っていることが分かります。一方、利益剰余金は2019年以降マイナスとなっており、増資や投資が必ずしも収益につながっていないことを示しています。
たとえ純資産が潤沢であっても、それが本業による利益によるものなのか、あるいは増資によるものなのかは、以下のような数値を確認しなければ判断できません。

財務指標利用の注意点
資本金の増減は、企業の財務戦略の根幹をなす重要な要素です。他の財務数値や指標と比較して分析することで、経営陣の意図や戦略の方向性がより明確に見えてきます。
資本剰余金について説明しています。