支払手数料とは
支払手数料とは、他社のサービスを利用した際に発生する手数料を指します。振込手数料などが代表的な例ですが、人材紹介手数料なども含まれることが多いです。
財務諸表分析手法 支払手数料
膨らむ支払手数料 岩谷産業
下のグラフは、岩谷産業の支払手数料の初年度比を示したものです。売上高の増加率を上回るペースで支払手数料が増加しており、年々負担が大きくなっていることがわかります。
この増加は、人材紹介手数料の影響である可能性があります。売上高給与比率は4.9%(2015年)から5.5%(2024年)へと増加したのに対し、売上高支払手数料比率は1.2%から1.6%に上昇しています。
支払手数料を支払って確保した人材の離職を防ぎ、給与を引き上げることが、企業にとって合理的な選択といえるでしょう。

初年度は異常値でないことを条件に任意で決める。
膨らむ支払手数料 ヤマトホールディングス
下グラフはヤマトホールディングスの支払手数料の初年度比のグラフです。売上高より高い初年度比であり、年々負担が増していることがわかります。
人材紹介手数料の可能性があり。売上高給与比率が1.6%(2015年)から1.5%(2024)に下落したのに対し、売上高支払手数料比率は0.3%から0.6%に倍増しています。支払手数料を払ってきてもらった人材の離職防止をして給与を上がるのが合理的選択です。
下のグラフは、ヤマトホールディングスの支払手数料の初年度比を示したものです。売上高の増加率を上回るペースで支払手数料が増加しており、年々負担が大きくなっていることがわかります。
この増加は、人材紹介手数料の影響である可能性があります。売上高給与比率は1.6%(2015年)から1.5%(2024年)へと下落したのに対し、売上高支払手数料比率は0.3%から0.6%へと倍増しています。
支払手数料を支払って確保した人材の離職を防ぎ、給与を引き上げることが、企業にとって合理的な選択といえるでしょう。

支払手数料はどこに載っているか
いざ「支払手数料を自分で分析しよう!」と思ったときに、注意すべき点は開示の有無です。
前提として、支払手数料は「販売費および一般管理費」の一項目に含まれます。
このような販管費の内訳項目は、開示の有無や開示場所が複雑であるため、詳しく解説していきます。
また、分析対象の企業によっては、そもそも非開示のため分析できない場合もあるため、注意が必要です。
支払手数料がPL本表に載っているケース
非上場企業の一般の決算書で支払手数料は基本的に独立掲記されています。
有価証券報告書を提出する企業(上場企業等)では、支払手数料をPL本表で開示しているのは約5%(約230社・2024年)です。残りの約95%の企業ではPL本表には載っていません。そのような企業であっても、支払手数料が販売費及び一般管理費合計の概ね10%以上の場合などは注記としてPL本表の数ページ後に開示されています。
なお、企業力Benchmarkerでは、PL本表で開示されている支払手数料は値を取得していますが、注記のみで開示されている場合には値を取得していません。
以降の章では、有価証券報告書を提出する企業について会計基準ごとに解説します。
非上場企業の一般的な決算書では、支払手数料は基本的に独立して掲記されています。
一方、有価証券報告書を提出する企業(上場企業等)で、PL本表に支払手数料を開示しているのは約5%(約230社・2024年)にとどまります。残りの約95%の企業では、PL本表に支払手数料の記載がありません。しかし、そのような企業でも、支払手数料が販売費及び一般管理費合計の概ね10%以上に達する場合などには、PL本表の数ページ後の注記として開示されることがあります。
なお、企業力Benchmarkerでは、PL本表で開示されている支払手数料の値を取得していますが、注記のみで開示されている場合には取得していません。
以降の章では、有価証券報告書を提出する企業について、会計基準ごとに解説します。
日本基準を採用する企業の場合
支払手数料をPL本表で開示している約340社は、会計基準として「日本基準」を採用しています。ドメスティック産業を主軸とする企業などは、ステークホルダーにも馴染みの深い日本基準で財務諸表を開示することが多いです。
ただし、日本基準を採用している企業の中にも、支払手数料を含む販管費の内訳項目をPL本表で開示していない企業も多く存在します。その場合は、注記を確認する必要があります。
KeePer技研は、支払手数料をPL本表に掲記しており、ほぼすべての勘定科目を積極的に開示しています。

米国会計基準を採用する企業の場合
次に、米国会計基準を採用する企業について説明します。前述のとおり、日本基準を採用している企業以外では、PL本表に支払手数料が開示されることはありません。
米国会計基準では、「販売費及び一般管理費」の金額のみが本表に記載されており、支払手数料の開示があるかどうかは、各注記を確認する必要があります。
なお、別の論点となりますが、米国会計基準では、販売費及び一般管理費とは区別して研究開発費が独立して掲記される場合も多くあります。

IFRSを採用する企業の場合
次に、IFRS(国際会計基準)を採用する企業について説明します。IFRSは、グローバルに展開する企業が採用する傾向にあり、世界的に認知されている会計基準です。そのため、海外の投資家や企業をステークホルダーに持つ場合、IFRSを採用するメリットがあります。
IFRSを採用する企業の財務諸表は、一般的に以下のような表記となっており、連結損益計算書(PL本表)には支払手数料が記載されていません。そのため、詳細を確認するには注記を参照する必要があります。


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まとめ
- 1 支払手数料とは、他社のサービスを利用した時に発生する手数料。
- 2 人材紹介手数料負担が重くなっている会社が多い。昇給圧力になる。
- 3日本基準は(連結)損益計算書上支払手数料が表記される場合もあるが、米国会計基準・IFRSでは表記されない。
給与について説明します。