BSの構築物とは
BSの有形固定資産に計上される構築物について解説します。
構築物は、煙突、アスファルト舗装、送電線のための鉄塔、広告塔、立体駐車場、トンネルなどのことです。
建物との線引きは「人間が継続的に居住・滞在目的で利用するか否か」です。工場の場合は、居住はしませんが(労働という)滞在目的で利用しますので、建物に含まれます。
減価償却について
構築物も減価償却の対象です。
減価償却については「建物とは」というページで詳述していますので、そちらをご参照ください。
構築物を多く保有するのは
構築物をたくさん保有する企業はどのような企業でしょうか。
企業力Benchmarerのデータから、上位3社を抽出してみました。
順位 | 企業名(期) | 有価証券保有額 |
---|---|---|
1 | 横浜高速鉄道株式会社 | 1204億円(2024年3月期) |
2 | 東日本高速道路株式会社 | 722億円(2024年3月期) |
3 | 中日本高速道路株式会社 | 718億円(2024年3月期) |
結果としては、高速道路事業や鉄道事業を行う企業がTOP3となりました。
トンネルや道路舗装が構築物に含まれることから、納得の結果といえます。
ただ、1位につけている横浜高速鉄道については、同業他社がランクインしないのに規模の比較的小さな同社だけがランクインしているのかは疑問が残ります。
調べてみたところ、例えば東日本旅客鉄道は「建物及び構築物」という勘定科目を使っています。
財務指標利用の注意点
構築物は、取得原価と減価償却累計額を開示したうえで純額を表示する会社と、純額のみを表示する会社があります。前者のように詳細な内訳を開示している場合は、設備の老朽化の程度や償却の進捗状況など、より多くの情報を把握することが可能です。
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減価償却累計額等控除額について説明しています。

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