財務指標の計算式・意味
当期純利益÷売上高×100(単位:%)
当期純利益=経常利益+特別利益−特別損失-法人税等
最終的な利益で貸借対照表の純資産を増加させる。
財務指標の理解の基礎知識
当期純利益は経常利益に特別利益を足して特別損失・法人税等を差し引いて計算します。
経常利益が低いと、減損損失などの特別損失の計上で当期純損失になる可能性が高くなります。
当期純利益は最後に残った利益を示します。
売上高当期純利益率を高くするには売上高総利益率・売上高営業利益率・売上高経常利益率を高くする必要があり、結果指標といえます。
分母・分子の詳説
分母
分母:売上高
会社が事業の目的の活動した結果得られる収益です。
文房具屋さんは、文房具を売るのが主目的ですから、文房具が売れれば売上高になります。
スペースが空いていて、その場所を他の誰に貸して得られる賃貸収入などは主目的ではないので、営業外収益の項目に「受取賃貸料収入」等の勘定科目で集計され、売上高になりません。
火事を出して、保険金が支払われた時、収入になりますが主目的ではないので、特別利益の項目に「保険金収入」等の勘定科目に集計され、売上高になりません。
分子
分子:当期純利益
当期純利益=経常利益+特別利益-特別損失‐法人税等
マイナスの時は当期純損失と言います。
時系列の動きをどう読むか
以下の紺色のグラフはスズキの売上高当期純利益率です。
比較的安定しており緩やかな右肩上がりになっており、危機に強い可能性があります。
危機とはおおざっぱな書き方ですが、リーマンショック・コロナ禍・戦争など経営に大きな影響を及ぼす事象です。
危機があると、企業は特別損失を多く計上するので、売上高当期純利益率は大きく悪化することがありますが、スズキはその傾向がありません。
売上高経常利益率の一定割合下に売上高当期純利益率のグラフが同じ形状で引かれています。この傾向は特別損失に変化が少ないことを意味します。
他の財務分析指標との関係性
売上高当期純利益率は純資産に影響を与え、純資産比率・固定比率・固定長期適合比率など安全性の財務分析指標に関連します。
下図の通り当期純利益は貸借対照表の純資産に加算されますから、純資産関連の財務指標が関連します。
売上高当期純利益率を低く保てば財務体質の改善は期待できななります。
まとめ
- 1 当期純利益は、最終的な利益で貸借対照表の純資産に足しこまれます。
- 2 そのため、売上高当期純利益率の高い会社は財務体質の改善スピードが速いといえます。
- 3 営業効率から、安全性へのインパクトの大きい財務指標といえます。
長期資金繰りや潰れにくさの指標を統合しています。