その他販売費及び一般管理費とは
その他販売費及び一般管理費は、個別の勘定科目として分類されない費目の合計です。
企業力Benchmarkerで個別の勘定科目として分類されるのは、役員報酬、給与、賞与、その他人件費、法定福利費、福利厚生費、水道光熱費、車両関連費、事務消耗品費、消耗品費、賃借料、修繕費、租税公課、減価償却費、接待交際費、旅費交通費、通信費、支払手数料、地代家賃、研究開発費です。これらに該当しない販売費及び一般管理費は、「その他販売費及び一般管理費」として分類されます。
財務諸表分析 手法 その他販売費及び一般管理費
その他販売費及び一般管理費の性質上、特別な財務諸表分析手法はありません。販売費及び一般管理費の合計や、売上高に対する販売費及び一般管理費比率を活用するとよいでしょう。
その他販売費及び一般管理費はどこに載っているか
いざ「その他販売費及び一般管理費を自分で分析しよう!」と思ったときに注意すべき点は、開示の有無です。
前提として、その他販売費及び一般管理費は「販売費及び一般管理費」の一項目であり、会社が開示を決めた勘定科目に当てはまらないものを合算したものです。
このような販管費の内訳項目は、開示の有無や開示場所が複雑であるため、詳しく解説していきます。
また、分析対象の企業によっては、そもそも非開示のため分析できない場合もあるので注意が必要です。
その他販売費及び一般管理費がPL本表に載っているケース
非上場企業の一般的な決算書では、その他販売費及び一般管理費は基本的に独立して掲記されています。
一方、有価証券報告書を提出する企業(上場企業等)では、日本基準・米国基準・IFRSの3つの基準に分類され、それぞれで扱いが異なります。
日本基準を採用する企業の場合
大和ハウス工業
下記は大和ハウス工業の連結損益計算書です。販売費及び一般管理費の内訳科目と金額が、「販売手数料」から「その他」に分類され、開示されています。(赤線)
企業力Benchmarkerでは、各社の多様な勘定科目を以下の項目に振り分けています。
役員報酬・給与・賞与・その他人件費・法定福利費・福利厚生費・水道光熱費・車両関連費・事務消耗品費・消耗品費・賃借料・修繕費・租税公課・減価償却費・接待交際費・旅費交通費・通信費・支払手数料・地代家賃・研究開発費です。
これらの項目に該当しないものと、もともと「その他」に分類されている金額を集計し、「その他販売費及び一般管理費」としています。
販売手数料・販売促進費・貸倒引当金繰入額・その他の合計額129,837百万円が、「その他販売費及び一般管理費」に該当します。

米国会計基準を採用する企業の場合
米国会計基準では、「販売費及び一般管理費」の金額のみが本表に記載されています。注記で内訳の一部が開示されることもあります。
また、米国会計基準では、販売費及び一般管理費とは別に、研究開発費が独立して掲記される場合もあります。

IFRSを採用する企業の場合
次に、IFRS(国際会計基準)を採用する企業について説明します。
IFRSは、グローバルに展開する企業が採用する傾向にあり、世界的に認知されている会計基準です。そのため、海外の投資家や企業をステークホルダーに持つ場合、IFRSを採用するメリットがあります。
IFRSを採用する企業の財務諸表は、一般的に以下のような表記となり、連結損益計算書(PL)本表には明細が記載されていません。そのため、詳細を確認するには注記を参照する必要があります。

以下がワールドの販売費及び一般管理費の注記です。

各社が開示する勘定科目は多様で、整理することで財務分析が可能になります。

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まとめ
- 1 その他販売費及び一般管理費は個別の勘定科目で把握されない費目。
- 2 その他販売費及び一般管理費の性質上特別の財務諸表分析手法はありません。
- 3 各社それぞれ独立掲記しない販売費及び一般管理費を合算して開示する。
- 4企業力Benchmarkerでは役員報酬・給与・賞与・その他人件費・法定福利費・福利厚生費・水道光熱費・車両関連費・事務消耗品費・消耗品費・賃借料・修繕費・租税公課・減価償却費・接待交際費・旅費交通費・通信費・支払手数料・地代家賃・研究開発費に振り分け、残ったものともともと「その他」に分類された金額を集計して「その他販売費及び一般管理費」としています。
販売費及び一般管理費合計について解説します。