その他営業外収益とは
その他営業外収益 概略
その他営業外収益とは、営業外収益のうち個別の費目で把握されないものを指します。個別の費目で把握する勘定科目を何にするかは、金額の多寡や会計基準によります。当社の企業力Benchmarkerの場合、財務分析的にどれを個別把握すべきかという判断が入り決定されます。企業力Benchmarkerでは、受取利息・受取配当金・持分法投資損失を個別把握し、それ以外を「その他営業外費用」としています。
企業事例
日本基準の連結損益計算書の表記 イー・ロジット
下記はイー・ロジットの連結損益計算書の表示です。イー・ロジットは日本基準を採用しています。営業外収益の内訳科目は、受取利息・保険金収入・物品売却益・保険解約返戻金・その他です。企業力Benchmaker では受取利息が独立掲記され、その他は「その他営業外収益」として把握されます。
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金融業を営む日本企業の連結損益計算書の表記 三井住友銀行
下記は三井住友銀行の連結損益計算書の表示です。三井住友銀行は日本基準を採用していますが金融業を営んでいます。金融業は財務活動が営業活動の会社なので、一般商工業のように営業活動は営業利益までに記載し、財務活動は営業外収益に記載するという区分ができません。企業力Benchmarkerでは、経常収益を全て売上高とし、営業外収益区分は金額はありません。したがってその他営業外収益も把握しません。
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米国基準の連結損益計算書の表記 富士フイルムホールディングス
下記は富士フイルムホールディングスの連結損益計算書の表示です。富士フイルムホールディングスは米国会計基準を採用しています。「Ⅳ営業外収益及び費用」の区分があり、そのうち「その他損益・純額」が企業力Benchmarker上の「その他営業外収益」にあたります。
「為替差損益・純額」も、値が正の数であれば「その他営業外収益」に該当しますが、今回は「△(マイナス)」がついており、「為替差損」であるため「その他営業外費用」に該当します。
その他収益とその他費用は、米国会計基準では同じ区分に記載されているので△のついた費目を費用と認識します。
純額とあるのは同じ取引で収益と損失があった場合、合算してプラスなら収益、マイナスなら費用としているためです。
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IFRS採用の連結損益計算書の表記 デジタルプラス
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下記はデジタルプラスの連結損益計算書の表示です。デジタルプラスはIFRSを採用しています。営業外収益に該当するのは「金融収益」のみです。注記もありません。仮に注記があったとしても、企業力Benchmarkerでは注記情報は加味しませんので、金融収益は全額その他営業外収益として把握します。
まとめ
- 1 金融業は営業・営業外の区分が難しく企業力Benchmarkerでは、営業外収益は把握せず、その他営業外収益もない。
- 2 営業外収益の費目別開示がされやすい日本基準・米国基準でもその他営業外収益は様々。
- 3 IFRSは営業外収益は金融収益のみで開示されることが多くその内容は受取利息を含むことが多い。ただし受取利息以外の営業外収益も含むことが多いため、全額を「その他営業外収益」とする。
企業力Benchmarkerでは、受取利息・受取配当金・持分法投資利益・その他営業外収益の合計を言います。