財務数値の意味
「負債合計」とは、企業が将来支払う義務を負っている金額の総額を指し、貸借対照表(バランスシート)の右側に表示される主要な項目の一つです。これは、企業が資金を調達する手段のうち「他人資本」に該当するものであり、自己資本とあわせて企業の資金源を構成します。
財務指標理解の基礎知識
負債は通常、流動負債と固定負債の2つに分類されます。流動負債には、買掛金や未払費用、短期借入金、1年以内返済予定の長期借入金など、1年以内に支払義務があるものが含まれます。一方、固定負債には、長期借入金や社債、退職給付引当金、リース債務、資産除去債務など、1年を超えて支払いが生じるものが含まれます。
負債合計が大きい場合は、それだけ外部からの借入や将来の支払義務を多く抱えていることを意味し、企業の財務安全性や資金繰りに対する影響も大きくなります。特に、有利子負債の割合が高い場合は、利息の支払負担や元本返済の影響がキャッシュフローに及ぶ可能性があるため、注視が必要です。
負債合計は、財務分析においても重要な指標であり、たとえば「負債比率(負債合計 ÷ 自己資本)」や「自己資本比率(自己資本 ÷ 総資産)」といった比率を通じて、企業がどの程度他人資本に依存しているか、または財務の健全性を維持しているかを判断する材料となります。
時系列分析と他の指標・数値との関連性
下記は、オーケーのバランスシートにおける資産・負債構成(BSバランス)の推移を示したものです。業績が好調で設備投資も積極的に行っていることから、純資産および固定資産が共に増加しています。それに伴い、純資産比率の上昇により、負債(グラフ中のオレンジおよびピンクの部分)は相対的に縮小しています。このことから、同社は借入も活用しつつ、着実に事業拡大を図っていると考えられます。負債構成の変化については、バランスシートの推移を確認することで明確に把握することができます。

財務指標利用の注意点
負債は、流動負債と固定負債の2つに大別されます。それぞれ異なる要因によって増減が生じるため、個別に分けて考察することが重要です。
固定負債について説明しています。

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