今回は、日本M&Aセンターを分析してみましょう。現在、多くの日本の企業は後継者問題を抱えています。特に、多くの団塊の世代の社長が引退し、その後継者がいないと言われる2012年問題真っただ中です。
企業力総合評価は、185.65→185.26→184.14→185.74→186.06と推移しています。滅多に見ないポイントで、ピッカピカの会社であることが分ります。
営業効率(儲かるかの指標)、資本効率(資本の利用度の指標)、流動性(短期資金繰り指標)、安全性(長期資金繰り指標)は天井値です。もの凄く儲かって(営業効率)、利益がいっぱい出て(安全性)お金がいっぱい入ってきて(流動性)ということです。
生産効率(人の利用度)もほぼ天井値です。
資産効率(資産の利用度)は、5期連続赤信号領域です。でも、これは問題ないでしょう。この指標が悪くても、営業効率がこれだけ良いのですから。
優良企業として名高いキーエンスは180.51→180.54→179.69→178.82→180.10と推移していますから、日本M&Aセンターがいかに高いかが分ります。
日本M&Aセンターは、勝ち馬に乗ったのではないでしょうか。時代を駆ける勝ち馬に、です。
企業の後継者不足が深刻になり、子供への承継を諦めざるをえない未来をいち早く察知し、その時に向けて、M&Aのノウハウや信用を積み上げてきたことに他なりません。
下グラフは日本M&Aセンターが設立されたバブル崩壊の年の1991年の男女別年齢別人口です。このグラフは、総務省統計局が長期にわたり作成・公表していますから、どなたもずっと以前からご覧の筈です。その時期、団塊の世代が働き盛りで、20歳以下の世代は減少の一途を辿り一度も増加に転じてはいません。
1991年の時点の人口グラフから2011年のグラフは容易に「推計」できたのではないでしょうか。
人口統計ほど、推計し易いデータはありません。時代を読むときこれほど先を見通しやすいデータはないということです。
団塊の世代は子供を2人ほど儲けた為、団塊ジュニア35~40歳前後は大きな山を作っています。しかし、団塊ジュニアの世代の子供は1人。(グラフは半分の長さ)まだまだ後継者不足は続きます。
貴方のビジネスの将来には、どの様に備えていますか。
日本M&Aセンターの生産効率を見てみましょう。
特筆すべきは、その、1人当たり経常利益です。25,538千円。1人当たり売上ではありませんよ。
以下は、キーエンスの生産効率です。従業員数など規模は大きく違いますが1人当たりの生産効率は良く似ています。
まとめ
情報が氾濫する現代、統計データほど当てになる情報は有りません。今何が起こっているか、これからどうなっていくかは統計をみると客観的数字でそれを教えてくれます。国の機関が、毎年沢山のコストを掛けて情報を集め作成していますから、これを利用しない手はないでしょう。
同様にSPLENDID21は統計学を用いて作成された分析ですので、単なる率の財務分析とは得られる情報の精度が大きく違います。
SPLENDID21NEWS第83号【2012年10月15日発行】をA3用紙でご覧になりたい方は下記をクリックしてください。
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