今回は、任天堂を見てみましょう。総合評価が183点の超優良企業です。
資産効率を除きすべてのグラフが天井を打っています。長くSPLENDID21NEWSを読んでいる方は、「積極投資が成功しているから資産効率が悪いことは問題にしなくてよい。」っと、思われたことでしょう。利益剰余金だけで1兆1千億円を超え、自己資本に占める利益剰余金の割合は100%超(自己株式をマイナス計算したため。不思議に思われる方は有価証券報告書をご覧ください。)、自己資本比率は70%とお見事!!! 総合評価以下各指標は以下のとおりです。
生産効率を見てみましょう。
他企業に類を見ない成績です。1人当たり売上は2億2000万円を超えています。また、1人当たり経常利益は6618万円です。1人当たり経常利益が200万円を合格水準とする場合の実に33倍です。
売上が伸び悩んで苦しんでいる会社が多い中、2007年は売上高増加率90%を記録しています。これは新しい顧客の開拓に成功したためです。
携帯型ゲーム機関連は、「ニンテンドーDS」が大きく増加しました。これまで子供に買い与える玩具でしかなかった携帯ゲーム機が、脳を鍛える大人のDSトレーニングなど、働く大人ならドキッとして思わす仕事帰りに買ってしまう商品が大ヒットしました。
据置型ゲーム機についても、「Wii」の発売により、茶の間で家族団らんに楽しめると購入されたお方も多かったはずです。
これまで家庭用・携帯ゲーム機購買に関心を持たなかった大人をはじめとする年齢層や女性へのゲーム機への理解と消費拡大を追求し、年齢や性別に関わりなく寄り集まって楽しめる、社会に安定と幸福をもたらすゲームという理念の追及を自社ブランドの重要要素とし始めました。
これが、NINTENDO64やゲームキューブが不振に終わった反省から生まれたものであるなら、今の苦しさを次の成長の糧とした任天堂に励まされる方も少なくないでしょう。
営業効率の下位指標を見てみましょう。
受取利息だけで340億円あり、営業利益<経常利益です。経常利益率30%です。
まとめ
他に類を見ない分析結果です。1889年、前社長 山内溥氏の曽祖父が花札の会社を興しました。アメリカで山内溥前社長がトランプ会社を視察し、その小ささに愕然としたことが、今日の出発点となっています。事実をどう捉え、何に向かうかが分かれ目となります。
SPLENDID21NEWS第31号【2008年6月15日発行】をA3用紙でご覧になりたい方は下記をクリックしてください。