今回は、ハークスレイの分析を見てみましょう。ハークスレイは、持ち帰り弁当「ほっかほっか亭」の西日本地域担当で、直営店他、FCへの食材・資材供給が事業の柱となっています。九州・東日本エリアはプレナスが担当しています。両社の戦略がそれぞれ違ってきました。どちらが勝つのでしょうか。それでは、SPLENDID21による分析結果を見てみましょう。
2007年3月期の総合評価の落ち込みが激しいですね。下位指標全てが悪化しています。なぜこのようなグラフになったのでしょうか。
ハークスレイは総店舗数を減らしながら、直営店を増加しています。
SPLENDID21の分析では、飲食業の成長企業は直営店主義が多いという結果が出ています。企業の顧客満足度を高め、ブランドを確立し、ノウハウを蓄積するのに適しているからでしょう。
ハークスレイも今後、直営店を増やす戦略をとっていくものと思われます。2006年10月にTRNコーポレーション(飲食店舗売却、店舗取得、開業サポート等、出店から退店までのワンストップサービスを提供する会社)を関連会社化し、開発物件の即時確保の体制を整えました。
新規出店にこだわり、厳選する日本レストランシステムと方向性が似ています。しかし、出店を関連会社といえども他社にお願いすることは、ともすると量に走る(そのほうが他社は儲かるから)リスクを伴います。
ハークスレイは直営店増加で出店費用がかさみ、販管費率が悪化し、営業利益率を悪化させています。
激しい流動性の下落の原因は、現金預金比率の悪化です。2007年3月期はTRNコーポレーションの関連会社化、ほっかほっか亭総本部の子会社化で現金を使ったことが大きく響きました。
まとめ
次の成長のために投資をすることは企業として当然です。ハークスレイの新たな挑戦に伴うリスクがまざまざと見える分析結果でした。プレナスは店舗に温蔵ショーケースを導入し、お客さまのスムーズな購入と店舗売上アップを狙っています。ハークスレイの優良店舗拡大戦略と異なる戦略です。どちらが吉と出るのでしょうか。
SPLENDID21NEWS第22号【2007年9月15日発行】をA3用紙でご覧になりたい方は下記をクリックしてください。