今回は、関東・中部地盤に、全皿100円回転すし「かっぱ寿司」経営しているカッパ・クリエイトの分析を見てみよう。
2005年に営業効率が急落し、悪化成り行き倍率が2年(上表○)をつけました。経営陣は危機感を持っていることでしょう。
売上高は656億20百万円(前年同期比2.5%増)となったものの、営業利益は21億37百万円(同75.3%減)、経常利益は18億60百万円(同77.9%減)、当期純利益は3億24百万円(同91.7%減)となっています。 売上高は、寿司事業における既存店売上高が前年同期と比較して11%低下したこと及びうどん事業における直営店28店舗の閉店により微増にとどまっています。 利益面については、売上原価率が3.0%増加し、販売費及び一般管理費の売上高に対する割合が7.2%増加いたしました。また、寿司事業における5店舗の閉店及びうどん事業における直営店28店舗の閉店、並びに、遊休設備の処分等に伴う固定資産除却損等の計上により減益になっています。 減益の主な要因としては、一部食材の値上げが見られたほか、お客様の来店頻度を向上するための施策としてより、良い食材を使用した各種キャンペーンに伴う売上原価の増加や割引券を付けた折込チラシによる販促費の増加、また、接客サービス力の改善を目的とした積極的な人員投入による人件費の増加や衛生面を中心とした消耗設備等の負担が増加したことなどがあげられるようです。
カッパ・クリエイトは、営業における最優先課題として、ホールオペレーション・ホール接客レベルの向上に主眼を置き、店長がホール側から作業指示を出せるための店舗体制作りと、教育店舗等においての実地指導と意識改革を行なうことにより、お客様への満足度とホール回転率をアップさせ、客数を増加させようとしています。 商品については、お値打ち感を高めるとともに、水産物価格が上昇するなか原価の低減に取組むため、商品部スタッフを大幅に増員し、業界に関する情報収集を強化して、品質の高い安全な食材を仕入れていく予定のようです。
下記の同業他社のあきんどスシローの営業効率一覧表と比較することにより、カッパ・クリエイトの2005年の蹉跌は、業界の状況とは、必ずしも関係していないことは一目瞭然です。
まとめ
2002年5月決算で総資本増加率、従業員増加率、売上高増加率が45~50%をつけています。急激な規模拡大が、後々の経営に響くことを忘れてはなりません。
SPLENDID21NEWS第14号【2007年1月15日発行】をA3用紙でご覧になりたい方は下記をクリックしてください。