今回は、ロックフィールドの分析を見てみましょう。ロックフィールドは、「神戸コロッケ」、「アール・エフ・ワン」、「そうざいや地球健康家族」など持ち帰りお惣菜ショップを展開しています。都市部ターミナル駅にある百貨店に出店し、仕事を持った女性をターゲットに伸びてきましたが、最近、郊外型店舗も増やしているようです。
それでは、SPLENDID21による分析結果を見てみましょう。
総合評価が高い水準から右肩上がりに成長しています。これは流動性、安全性が高いからです。
営業効率(儲かったかの指標)、資本効率(資本の利用度)は5期連続右肩上がりです。
生産効率は赤信号領域にドップリハマっています。
流動性(短期資金状況)は高い位置でV字を描いています。
安全性(長期資金状況)はほぼ天井を打っています。
ロックフィールドの営業効率各指標を見てみましょう。
営業効率を上げてきています。SPLENDID21NEWS第42号モロゾフ同様、安全性の良い会社なので売上高経常利益率の心配はいりませんね。業績の良い時、節税志向が強すぎると、不景気になったとき、身動きが取れなくなります。法人税等の支払額を売上高で割ってみてください。販売費・一般管理費の中でもっとコスト削減に頭を使うべき費目に気が付きます。
2004年首都圏方面向け玉川SPSファクトリー、2005年神戸ファクトリーを完成させています。
ベンチマーク企業をトヨタとし、生産・物流・販売に至るまで「カイゼン」「ジャストインタイム」などを導入し、ムリ・ムラ・ムダの排除をしています。
研究開発に熱心で、野菜や果物類の血液流動性改善(血液サラサラ)作用及び活性酸素消去(病気や老化からからだを守る力)作用について、東海学園大学人間健康学部の西堀すき江教授と共同研究を進めています。これまでに約150種類の野菜や果物類の活性を評価し、ある種の野菜・果物に顕著な抗酸化活性、血液流動性の改善作用を確認するなど成果を上げています。今後、これらの研究で得られた成果を元にヒト試験を計画しています。ベジテリアの生ジュースの活性酸素消去作用については継続して分析を実施しており、その成果は抗酸化パワーの表示として主要商品の表示に応用しています。研究開発でこれほど学術的な取り組みをしている飲食業を知りません。
また、子会社Rockfield(California)Inc.で、アメリカの食の発信基地であるサンフランシスコにおいて、日本では入手困難なオーガニック野菜や現地の食材を使ったそうざいの開発、現地での流行など食に関する情報発信を行っています。
業態別売上高推移を見てみましょう。「おや?」と思われた方も多いですね。思ったより神戸コロッケは売上を上げていません。圧倒的にRF1の構成比率が高いです。
名前が良く売れているものが収益の柱とはなっていません。
これほどの会社でも、新業態が、なかなか育ってこないことが良くわかります。
RF1の店舗当たり売上を調べてみましたが、
3%未満の下落率です。(期末店舗数で計算していますから実際より少なく計算されています。)
まとめ
企業力が強い会社の特徴の一つに経営者の方針が一貫していることが挙げられます。自社の抱える経営課題を時系列で見ていくと、優良な会社ほど毎年、同じようなことを挙げています。ロックフィールドはこれに当てはまります。逆に業績の悪い会社ほど、毎年、いろいろなことを言います。
当然、企業外部に対するのと同じ事を社員に語っている筈です。
とどのつまり、何度も同じことを話し、社員の行動に落とし込むのはとても時間がかかり根気のいる作業であるということはないでしょうか。
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