株式会社ワークマンは、作業着のみならず、カジュアルウエア、ファミリー衣料、履物等多彩な品ぞろえの店舗を、主として個人とフランチャイズ契約を締結し、また直営店として展開しています。高い機能性を求められる作業着で培った技術は、若い女性たちにも大人気です。
2021年までの10年間の経営を俯瞰する ワークマン
2012~2021年3月期までの10年間の個別財務諸表を分析しました。
企業力総合評価は、キーエンス越えをして10年真っすぐブレがありません。営業効率、資本効率、生産効率、流動性、安全性は全て天井値です。資産効率は赤信号領域ですが、利益剰余金の増加から資産増加が起こった結果と推察され、問題はありません。
キーエンスを超えたか ワークマン
キーエンスは資産効率が赤信号領域で底値をつけており、資産効率が企業力総合評価のキーエンス越えを決定したと言えます。キーエンスは1年の売上高の3倍の有価証券、投資有価証券、現金預金を保有していることが原因で、資産効率が底値であること、その結果、企業力総合評価が㈱ワークマンに負けているのです。資産効率をめぐる財務分析の限界と言えます。
天井値とは、各カテゴリーとして「合格です」ということですが、総合評価に、まとめ上げる為設けられたものです。
㈱ワークマンの凄いところは、天井値でも実は更に成長トレンドであるところです。
躍進の前の踊り場形成 ワークマン
㈱ワークマンの営業効率・生産効率の下位指標を見てみましょう。
営業効率も生産効率も、10年間伸びていますが、2014年から2017年にかけて、踊り場になっています。
このような数字を志向したことはありますか。実践した社長様はそれほど多くないでしょう。
いつも企業の長期分析をしていますが、これほど長い踊り場の事例はありません。
圧倒的な市場の支持を感じても、ビジネスモデルや商品を徹底的に磨く時間を持つこと、その重要性を示しています
この陰には、会社が、社員の意見の耳を傾け、社員は、お客様や、加盟店の声に耳を傾け、どうすれば、皆が喜んでくれるかを吸い上げ、考え抜いたと推察されます。
会社の有価証券報告書には、売り場面積当たりの売上高など、非会計データも開示されています。単に出店を増やして増収にしているのではなく、効率を上げて増収増益にしています。効率を上げるには家族経営のフランチャイジーには負担が重く、本部としてどうサポートするかを追求しているのでしょう。
まとめ
人間も会社も自分を見失うと辛くなります。自分を見失わない企業の代表選手のような会社です。
他から得られる情報のみならず、自社の財務情報を見つめ直すことです。
編集後記 作業着会社として、徹底的に機能追求をしてきた強みが、実利を志向する現在の日本人に受け入れられました。 ♪(^^♪文責JY 〒541-0052 大阪市中央区安土町1-6-19 プロパレス安土町ビル7階D号 株式会社 SPLENDID21 tel 06-6264-4626 ✉ info@sp-21.co.jp https://sp-21.com |
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SPLENDID21NEWS第193号【2021年12月15日発行】としてA3用紙でご覧になりたい方は下記をクリックしてください。
2021年12月22日水曜日19:00~ワークマンZoom解説会を行います。
コラムには記載されていない分析を解説しますので、ワークマンのような自社の強みを認識しつつ躍進を望む企業様のご参加をお待ちしております。
参加無料で、どなたでもご参加いただけます。