ZOZOタウン運営の株式会社ZOZOの前澤社長は、何をやるにしても、人と同じことが嫌い。なぜなら競争したくないから。千葉愛が強く、本社は幕張、幕張に住めば幕張手当で5万円が支給されるという。個性的な新進気鋭の社長のZOZOはどんな経営状況なのでしょうか。
企業分析 総覧
2009~2018年3月期までの連結財務諸表を企業分析してみました。
ビックリされるかもしれませんが、企業力総合評価は、長期に緩やかな悪化トレンドです。といっても2009年時点で178.52PとSPLENDID21分析史上最高の181.28Pのキーエンスと変わりがありません。9年前の2009年から超優良企業でした。
ZOZOで、問題があるとすれば、生産効率です。2016年までの7年間悪化し続けました。管理部門が生産効率に無頓着になるのは、カリスマ社長への依存度が高い場合に可能性が高くなります。加えて営業効率が絶好調ですから、生産効率を気にする必要もなかったのかもしれませんが、企業はどんなに良くても自社の経営状況に敏感である方が、長く優良な状況を維持できます。いかに優秀な経営者でも何百年も生きることはできません。絶好調の時、自動安定化するような仕組みを構築すべきです。
2016年、資産効率の改善と流動性の悪化がセットになっていますが、117億円の自社株買いを行ったためで、大きな問題はないようです。企業力総合評価と流動性の形状が一致していますから変動要因は流動性と言えます。流動性の改善をすれば、企業力総合評価も超高度安定となります。
超優良企業である秘密
超優良企業の秘密を財務分指標から読んでみます。
2009年度を100とした場合の資産合計、純資産合計、売上高、当期純利益を示しています。売上高が伸びる以上に当期純利益が増加する。総資産額が増える以上に純資産額が増える。儲けと財務体質改善に加速度がついています。4指標の関係は9年間変わらない、これがこの会社の強さを示す動態的な財務分析指標。
貸借対照表の中身 無駄なものがない
2018年3月期の貸借対照表は圧巻です。総資産額の実に35%が現金預金、36%がすぐに現金回収される売掛金です。負債は受託販売預り金以外は引当金・退職給付債務など、将来の支出に備えて計上したものがほとんど。
店舗販売のアパレルであれば有形固定資産を沢山持つ必要がありますが、ECサイトはそれが要りません。ネット上のお店はソフトウエアとして計上され実に2億円の店舗で984億円売る計算になります。
結局のところ、貸借対照表には、通帳と営業債権債務のメモ帳しかありません。無駄なものは持たない。
貸倒引当金すらありません。
債権管理も貸倒リスクも最小限が基本なのでしょう。
まとめ
ビジネスモデルが良ければ、旧来型事業で苦労が絶えなかった問題に悩まされずに済みます。自社の経営を変えたいなら、他社を数字だけで考察すると発想の不足に気づきます。
今後どのような成長していくか楽しみです。
編集後記 それにしてもZOZOタウンなんてへーんな名前って言ったら、「それが若い子にはおしゃれなんですよ」と言われた。すねた ”(-“”-)” 文責JY 〒541-0052 大阪市中央区安土町1-6-19 プロパレス安土町ビル7階D号 株式会社 SPLENDID21 tel 06-6264-4626 ✉ info@sp-21.co.jp https://sp-21.com |
SPLENDID21NEWS第155号【2018年10月15日発行】をA3用紙でご覧になりたい方は下記をクリックしてください。