コロナ禍という厳しい環境の中、経営に潜む弱点から綻びが生じます。優秀な経営者ほど、自社のあら探し?に余念がなく、いつも自社を最高の状況にもっていこうと努力します。1兆3646億円の営業損失を出したソフトバンクグループ株式会社を分析しました。
ソフトバンクグループの経営を俯瞰
2000年~2020年3月期までの21年間を分析しました。6親指標の内4つが赤信号に入ると、破綻へのカウントダウンが始まります。ソフトバンクグループは今4つの親指標が赤信号です。
21年を俯瞰してみれば、ソフトバンクグループは、財務体質(流動性・安全性)が芳しくなく、資産効率は常に赤信号領域。生産効率はよいものの、営業効率は2012年を頂点に悪化の一途を辿っていることが分かります。
放置された弱点 資産効率 ソフトバンクグループ
21年間悪化を放置された資産効率がソフトバンクグループに潜む弱点です。その弱点の会計的な性質は、未来の費用・損失の貯蔵庫の獲得、もっと過激な表現をすれば、「暴発が約束された火薬庫の造成」です。同じ資産効率が悪くても、安全性・流動性がすこぶる良い会社は例外で、危機に対して安全装置となり、まるで天国と地獄のような指標と言えます。
BSの資産からPLの損失に ソフトバンクグループ
資産効率とは資産を効率的に使っているかを売上高で測る指標です。売上高<<<資産、売上高より遥かに大きな資産を保有しています。1兆9313億円の資産が一気に損失となり、貸借対照表の資産から損益計算書に移動してきたのがソフトバンク・ビジョン・ファンドからの営業損失です。
まとめ
資産は将来、現金になるか費用になるかの2択である。このシンプルな会計リテラシー一つで、ソフトバンクグループ、武田薬品工業、日産自動車に長期に会社内に横たわる問題点をあぶりだせます。投資時に資金繰り・負債より、資産に注目した意思決定の方が、経営は上手くいきます。
資産の中身を知りたい方は過去のコラムをご覧ください。 こちらから
編集後記 財務諸表分析において業種特性が言われますが、会計リテラシーを先んじて検討する方が正解にたどり着きます。(^^♪文責JY 〒541-0052 大阪市中央区安土町1-6-19 プロパレス安土町ビル7階D号 株式会社 SPLENDID21 tel 06-6264-4626 ✉ info@sp-21.co.jp https://sp-21.com |
ソフトバンクグループコラムのZoom解説会をします。
2020年7月27日月曜日19:00~20:30(質問のある方は~21:00)
資産効率を起点にした悪循環から業績を悪化させる会社が多く見受けられます。
原因は、
PL重視の経営がなされる。
BSを見るとしても資金繰りを中心にみる。
この2点ではないでしょうか。
この傾向は1兆円を超える巨大企業でも見受けられ、規模の大きさから損失額も多大となるケースが後を絶ちません。
資産効率から生じる経営の綻びを中心に解説します。
このコラムを、SPLENDID21NEWS第176号 【2020年7月15日発行】として、A3用紙でご覧になりたい方は下記をクリックしてください。