ディスコ株式会社は、半導体や電子部品の製造に不可欠な精密加工装置およびツールの大手メーカーです。主力製品は、シリコンウエハなどを極薄に切断する「ダイシングソー」や研削・研磨装置、精密加工用の砥石・ブレードで、世界的に高いシェアを誇ります。独自の技術力と品質の高さが強みで、顧客の生産性向上や高精度化に貢献。個人Will会計という独自の人事制度でも注目されており、個人の成果を正当に評価し、能力主義を徹底しています。
見出しH2
企業名 | 株式会社ディスコ | ||
---|---|---|---|
証券コード | 6146 | 所在地 | 東京都 |
上場/非上場 | 上場 | 業種 | 電気機械器具製造業 |
連結/個別 | 連結 | 売上高 | 393,313百万円 |
会計基準 | 日本基準 | 総従業員数 | 7,025人 |
分析対象の期 | 2016年03月~2025年03月 |

- 企業の成長が無料で一目でわかる
- 上場企業4000社、非上場企業1000社の最新の分析結果
全体的な傾向を把握

企業力総合評価
”右肩上がり=企業成長”
と定義づけた当社独自の統合指標。0~200ポイントで評価。
ポイント数は、倒産から遠ざかることを成長と定義した統計処理により算出される。
親指標への深掘り
統合指標には、企業力総合評価と親指標(営業効率~安全性)があります。企業力総合評価を確認できたら、次は各親指標を見ていきましょう。親指標は、ゾーニングにより、会計の知識がなくても経営が良い状況かどうかパッとわかります。
緑色ゾーンであれば正常、赤色ゾーンは悪い状態です。

営業効率
「儲かるか」を示す統合指標
緑色ゾーンであれば良、赤色ゾーンであれば否、天井値であれば最高水準、底値であれば、悪すぎることを示します。
資本効率
投下資本に対していくら利益が上がったかについての統合指標
緑色ゾーンであれば良、赤色ゾーンであれば否、天井値であれば最高水準、底値であれば、悪すぎることを示します。


生産効率
人の活用度を評価する財務指標の統合指標
緑色ゾーンであれば良、赤色ゾーンであれば否、天井値であれば最高水準、底値であれば悪すぎることを示します。
資産効率
資産の活用度についての統合指標
緑色ゾーンであれば良、赤色ゾーンであれば否。天井値はなく、底値以下は悪すぎることを示します。


流動性とは
短期資金繰りについての統合指標財務体質を表します
緑色ゾーンであれば良、赤色ゾーンであれば否、天井値以上であれば満足水準、底値以下であれば悪すぎることを示します。
安全性とは
短期資金繰りについての統合指標で、財務体質を表します
緑色ゾーンであれば良、赤色ゾーンであれば否、天井値以上であれば満足水準、底値以下であれば悪すぎることを示します。

営業効率・資本効率・流動性・安全性はいずれも高水準で推移しています。
生産効率は2020年以降、力強い改善傾向が続いています。
資産効率は依然として低水準で、赤信号の領域にとどまっています。
営業効率へのドリルダウン
増収トレンドではあるものの、一部で減収も見られます。
減収期である2019年~2020年には売上高総利益率が改善した一方で、売上高販売費及び一般管理費比率は悪化しました。この時期を経て、2021年以降の増収につながっており、メリハリのある推移が見受けられます。
また、売上高営業利益率と売上高経常利益率がほぼ同水準で推移しており、本業に集中した経営がなされていることがうかがえます。売上高当期純利益率は31.5%に達しました。

生産効率へのドリルダウン
従業員数は一貫して増加トレンドを維持しています。1人あたりの指標は、1人あたり売上高の推移に連動して増減しています。1人あたり売上高は、2016年の31,625千円から2025年の55,988千円まで24,363千円増加し、約1.77倍となりました。
2025年夏のボーナスが527万円となったのも、この成長を踏まえれば納得できます。

平均年齢・平均勤続年数の推移
従業員の平均年齢は引き続き若年化が進んでいます。また、平均勤続年数は継続して短期化しています。
多くの企業では、10年間の推移を見ると平均年齢・平均勤続年数ともに年数相応に増加する傾向がありますが、当社は全く逆の動きを示している点が特徴的です。

平均年間給与の推移
平均年間給与は2020年から2021年にかけて一時的に減少しましたが、その後急増しました。具体的には、平均年間給与は7,715千円から2025年には16,719千円へと大幅に増加しています。
個人Will会計で営業効率が改善し増収増益の成果が給与として反映されています。

個人Will会計とは
「Will会計」という仕組みは、自らの成果に基づいて決まっていきます。
つまり、
「自分はこれだけ会社に貢献する」
と自ら意志(Will)を宣言し、その成果を出した分だけ評価されます。
この制度があるからこそ、若手社員も「年次」や「ポジション」に関わらず、どんどん手を挙げて挑戦していける。まさに、自走する組織の象徴です。
「評価が不透明で不満だ」
なんて声が出がちな日本企業とは一線を画す仕組み。
「自分の価値を会社でどう証明するか?」
これが問われる時代、Will会計のような仕組みがある企業は、今後ますます人材の宝庫になりそうです。
BS推移
純資産の増加は、主に現金預金の増加として反映されています。また、2022年および2025年には有形固定資産が急増しました。有形固定資産の増加は研究開発活動センター建設です。

善循環が回り超優良企業を維持している
人材活用が上手く、上昇志向の若手ビジネスパーソンが成長できる仕組みが確立されている。増収増益でキャッシュリッチなため、研究所への投資も進み、さらに優秀な人材が活躍できている。

長野県の会社です。
まとめ
- ディスコは、全方位で企業力の高さを誇る超優良企業です。営業効率や資本効率、流動性、安全性のいずれもが高水準を維持し、2021年以降は業績が絶好調。売上高当期純利益率は31.5%、現金預金比率も高く、財務の健全さは群を抜いています。 特筆すべきは「個人Will会計」という独自制度。社員が自らの意思で仕事を選び、成果が社内通貨「Will」で可視化される仕組みが、裁量と責任を育みました。これにより平均年収は2025年に1,672万円、ボーナスも527万円に急増。 また、1人あたり売上高も約1.77倍に成長し、生産効率が飛躍的に向上。平均年齢の若年化や勤続年数の短期化が進み、若手が躍動する企業文化が定着しています。 課題は資産効率の低さですが、潤沢なキャッシュをもとにR&D投資も拡大。広島や羽田の拠点拡充がその象徴です。 ディスコは人材、効率、投資の好循環を築き、成長し続ける稀有な存在です。
編集後記
-
万博にせっせと通っています。全パビリオン制覇を予定です。さてさていつ頃達成できるでしょうか。 文責JY
〒541-0052 大阪市中央区安土町1-6-19 プロパレス安土町ビル7階
株式会社 SPLENDID21
tel 06-6264-4626
hp https://sp-21.co.jp/
X @splendid21jy