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渡鳥のように日本製鉄グループを見る 

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USスチール買収で揺れている日本製鉄株式会社を取り上げました。USスチールは創業122年、米国で大規模なコングロマリットの先駆けの一つであり、繁栄の象徴でもあった同社が外国のものになるという心理的反発もあるのでしょう。

2014~2023年3月期までの連結もしくは個別財務諸表を診断してみました。

 

上記は日本製鉄・連結の企業力総合評価と、子会社・関連会社12社の同診断です。
日本製鉄は2020年かなり悪化し黄信号領域に突入しましたが翌期改善し2023年には155ポイントと過去最高評価を付けました。

日本製鉄は連結売上高が6,808,890百万円と規模が大きく、360社の連結子会社並びに97社の持分法適用関連会社があり、そのうち12社が上場企業です。
こうして子会社・関連会社の企業力総合評価を並べてみると殆ど経営状況は良く、右肩上がりです。2020年の日本製鉄・連結の悪化は親会社である日本製鉄自身の経営状況が悪かったのではないかと思われます(日本製鉄・個別材諸表の企業力総合評価は示しません)。
ざっくりした見方ですが、日本製鉄はグループ会社経営を上手くやっており、USスチールが日本製鉄の子会社になることに問題はなさそうです。

USスチールが日本企業に買収されることに対する反対意見は、
(1)米国を代表する企業が外国企業のものになる情緒的な反感
(2)労働者の権利が侵害されるのではないかという不安
(3)それら意見を持つ人達へのバイデン大統領の政治的思惑
の3つにあるのではないでしょうか。(1)については、創業244年のタケダ薬品工業の取締役の半数以上が外国人を占めていますし、(2)については労働者の権利ももちろん大事ですが、経営状況が悪く潰れてしまえばみんな解雇、(3)についてはもう知りません!ではないでしょうか。

まとめ
企業は人々を乗せて進む船。無事航海ができること、皆が幸せに暮らせるような判断が求められるのではないでしょうか。

編集後記 マレーシア・クアラルンプールに行ってきました。ペトロナスツインタワーはあべのハルカスがあるし興味がありませんでしたが、実際行って見ると、美しさに圧倒されました。もう発展途上国とは言えませんでした。     (^^♪文責JY

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山本純子
株式会社SPLENDID21 代表取締役。企業評価・経営者評価のスペシャリスト。多変量解析企業力総合評価「SPLENDID21」というシステムにより、通常の財務分析ではできなかった経営全体を「見える化」するシステムを提供。 近年では様々な企業が本手法を利用して莫大なデータより有用な情報を引き出し、実際の経営に役立てています。 代表者プロフィールはこちら
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