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日本国 破綻懸念まであと少し 

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今回は、日本国を分析してみました。2010年3月期までの5年間です。ギリシャなど他国の破綻が問題となっていますが、日本国はどうでしょうか。

企業力総合評価は4期連続下落しています。5年の推移は、82.36→80.17→78.10→69.10→60.71です。

このような状況は、経営陣が無機能化している時に現れます。過去の例では、マイカルの倒産時、NOVAの不祥事発覚時でした。マイカルは、役員間の争い、NOVAは、暴走社長と、社長の暴走を止められない役員で経営していました。

そういえば、日本国は社長に当たる内閣総理大臣が過去数年間、1年毎に代わり、日本国としての経営のかじ取りが全くできていませんから、矛盾がありません。

悪化成り行き倍率(破綻懸念60点までの時間軸)も2007年があと10年、2008年があと9年、2009年があと2年、2010年があと1年と急速に余命を減らしています。破綻懸念まであと1年と言っても残ポイントは0.71で、ほとんど破綻懸念です。

営業効率(儲かるか)は赤信号領域の底値を付けています。底値は、もう商売をやっていても仕方がないので辞めて下さい、と言うレベルです。

営業効率は、売上高利益率の財務指標を統合計算しています。日本国に売上高はありません。売上高は税収です。

日本国の場合は、税収以上に経費がかかり、どうしようもない状況です。収入がないのにお金を使えば借金・国債が増えるのは当たり前です。

企業で営業効率が底値を打っている例は雪印乳業、メディネットと多くはありません。両社ともV字回復をしていった軌跡が救いです。

資本効率(資本の利用度)も底値です。

唯一天井値なのは、生産効率です。従業員数に当るものは総務省統計の「国の行政組織定員」です。

資産効率(資産の利用度)も、底値です。資産効率が底値な例は、バブルで借金と不良資産にまみれて倒産した佐藤工業、青木建設が思い出されます。

流動性(短期資金繰)が4期連続下落しています。(2009年までの日本国分析のSPLENDID21NEWS第57号では5期連続天井値でした。国債残高をすべて固定負債で分析していた為です。今回の分析で、2010年の国債残高から、長期国債、中期国債、短期国債を調べ、長期国債の残高の10分の1、中期国債の3分の1、短期国債の全額を、固定負債から流動負債に振り替え、2006年から2009年までの4年間は、2010年の振替比率21.97%で、流動負債へ振り替え計上しました。)概算計上ではありますが、実態に近くなったのではないでしょうか。

安全性(長期資金繰)も底値です。日本国の破綻へのカウント・ダウンは5年以上前に始まっているのです。佐藤工業、青木建設は、底値3年で倒産しました。通常はこれほど持ちません。バブル崩壊で、2社を破綻させると多額の貸倒損失が発生する銀行が支えた為です。

それ以上に、日本国の安全性は悪いのです。

上は国債残高のグラフです。尋常ではない増加が理解できます。格付投資情報センター(R&I)は2011年12月21日、日本の外貨建て・自国通貨建て発行体格付けをAAAからAA+に引き下げると発表した。R&Iの引き下げより、SPLENDID21の分析の方が厳しく感じ、右国債残高グラフはSPLENDID21の分析結果のイメージに近いのではないでしょうか。

まとめ

日本は民主国家です。日本国の現状は、日本人として生き方を問われた気がします。昨年起きた東日本大震災の復興の為に、国債が増えたのではありません。そうであれば、意味もあったでしょう。これは2010年3月までの日本国の分析なのです。

SPLENDID21NEWS第74号【2012年1月15日発行】をA3用紙でご覧になりたい方は下記をクリックしてください。

sp21news074日本国?

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山本純子
株式会社SPLENDID21 代表取締役。企業評価・経営者評価のスペシャリスト。多変量解析企業力総合評価「SPLENDID21」というシステムにより、通常の財務分析ではできなかった経営全体を「見える化」するシステムを提供。 近年では様々な企業が本手法を利用して莫大なデータより有用な情報を引き出し、実際の経営に役立てています。 代表者プロフィールはこちら
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