今回は、自転車部品、釣り具メーカー 株式会社シマノです。トヨタ、本田技研工業、パナソニック、ソニーなど、日本の基幹産業の企業が恐慌下で苦戦する中、総合評価を0.33ポイント改善させた日本有数の優良企業です。
それでは、シマノの分析結果を見ていきましょう。
企業力総合評価は5期を通じて173ポイントあたりと高位置をマークしています。営業効率(儲かるかの指標)、資本効率(資本の利用度の指標)は天井値です。流動性(短期資金繰り状況の指標)安全性(長期資金繰りの状況の指標)も天井値です。経常利益増加率は2007年12月期、2008年12月期ともにプラスです。
営業効率の下位指標を見てみましょう。
売上高経常利益率は2006年12月期が最も悪くて12.31%です。直近では15.61%と2年の間に3%以上改善させました。
今回の恐慌下で強い企業にはある条件があります。キーワードは「リスクヘッジ」です。
トヨタに対し、2輪を持っている本田技研工業が強いのもその一つです。
シマノは釣り具(水の上)と自転車(地の上)で「リスクヘッジ」しています。
販売先もアフリカは少ないかも知れませんが、ほぼ全世界各地域で「リスクヘッジ」しています。
商品での「リスクヘッジ」、地域での「リスクヘッジ」をかけています。
シマノにはもう一つ特徴があります。下は過去10年間の株価のグラフです。ほぼ一貫して値を上げています。
業積がずーっと良かったとも言えますが、株式の消却をコツコツしていることも見逃せません。
自己株式を買い、消却して、発行済株式を減らしていますから、1株あたり価値はどんどん良くなります。
株価を見てみると、リーマンショックで5年ほど前の水準になっていますね。
ただし、必ず儲かるとは保証できませんから、自己の責任で意思決定してください。
まとめ
9月に著書「トップコンサルタントの計数力」の出版記念セミナーで話したことを書いてみました。セミナー準備の過程で沢山企業を分析し、調べてみました。沢山の企業を見て視野を広角にする価値、数字を根拠にする価値を再認識した次第です。
SPLENDID21NEWS第47号【2009年10月15日発行】をA3用紙でご覧になりたい方は下記をクリックしてください。