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モスフードサービス 2002年まではマクドナルドの増収に引っ張られた

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今回は、厳選素材バーガーを特色にFC展開している株式会社モスフードサービス(以下モスフードサービス)の連結財務諸表の分析を見てみましょう。

モスフードサービスは、1972年3月12日東京都板橋区成増で1号店をオープンさせました。モスフードサービスは、素材を厳選し、注文を受けてから作る(「新鮮な物をお召し上がり頂きたいので敢えてお時間を頂いております」と断り書きをしている)など、いわゆるファーストフード店の中でもスローフードのような作りをしているのが特徴です。

それでは、各指標の推移を見てみましょう。

モス分析

総合評価の推移は、比較的安定的です。営業効率は右肩上がり(黄緑矢印)で、生産効率は下がり(オレンジ矢印)になっています。売上高を重視する経営から、質を重視する経営への転換がはかられています。

モスフード企業力総合評価

2005年度の当期損失(下表)は、減損会計適用の影響によるものです。

モスフード売上高利益率時系列データ1

マクドの影響分析

まとめ 

2002年まではマクドナルドの増収が気になり、迷いがあるように見えます。実際、値引きやセットメニューでマクドナルドと同じことをしています。2003年から独自路線をしっかり歩んでいます。モスフードサービスは、売上高が721億円から582億円に減少していても、経常利益は21億円から32億円に増加しています。極めの細かいサービスを行なえば、無思慮な量的拡大を行なうよりも良い結果が出せるという典型例として理解できると思います。

SPLENDID21NEWS第17号【2007年4月15日発行】をA3用紙でご覧になりたい方は下記をクリックしてください。

sp21news017モスフード0704

 

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Picture of 企業評価・経営者評価のスペシャリスト 山本純子
企業評価・経営者評価のスペシャリスト 山本純子
株式会社SPLENDID21 代表取締役。 多変量解析企業力総合評価「SPLENDID21」というシステムにより、通常の財務分析ではできなかった経営全体を「見える化」するシステムを提供。 近年では様々な企業が本手法を利用して莫大なデータより有用な情報を引き出し、実際の経営に役立てています。 代表者プロフィールはこちら
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株式会社SPLENDID21 代表取締役。 多変量解析企業力総合評価「SPLENDID21」というシステムにより、通常の財務分析ではできなかった経営全体を「見える化」するシステムを提供。 近年では様々な企業が本手法を利用して莫大なデータより有用な情報を引き出し、実際の経営に役立てています。 代表者プロフィールはこちら
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