「社長、企業が良くなるってことは、なにがどうなることですか?数値で表した時どれがどうなることですか?」という問いかけに明確な答えが返ってくることは多くありません。その理由として、まず、百数十ある財務指標の中には、良くなる指標も悪くなる指標もあり、すべてを統合化して判断できないこと。ふたつ目に、成長の波動を読みきれないことがあげられます。
まずは、バラバラに動く百数十の経営指標を統合化して判断するとはどういうことか見ていきます。
SPLENDID21は、「栄枯盛衰決定のアルゴリズム(計算過程)」というプリズムを通して、経営の実態をズバリ経営者の右脳に映写し、企業統治をサポートする「経営コクピット」サービスで、シンクタンクのみが独占していた多象限分析に、認知科学的アプローチを併用したものです。
ピーター・F・ドラッカーは、「存続・成長」が企業目標であると言っていますが、成長とはなにかを数値で明確化しないと企業目標はないのと同等になってしまいます。
SPLENDID21において、企業成長とは、総合評価が200に限りなく近づくことです。
たとえば、株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモはこの定義でいくと、成長している訳です。
営業効率は、営業の効率を示す、営業効率分析指標の総合評価です。 営業効率のグラフは、良でも否でもなければゼロにプロットされ、 営業の状態が良であれば、青信号領域に、否であれば、赤信号領域にプロットされます。 青信号領域で改善するほど、プラス値は上昇し、赤信号領域で悪化するほど、 絶対値でマイナス値は上昇します。SPLENDID21は指標を陰陽両極思考でよむソフトであり、 営業効率も、業種によって異なりますが、最高値と最低値を持ちます。5を超えると最高値、 △5を下回ると最低値が近いと考えて下さい。
次に、「成長の波動」をよみきれない、とはどういうことかについて。
企業成長は単調な右肩上がりの直線で達成されるのではなく、サイクル、うねり、波動、調整期間を含みながら、達成されていくのです。
したがって、企業成長の「波動」をよみとる必要が生じてきますが、SPLENDID21では、経常利益増加率のターニングポイントを追跡しながら、「波動」をよみます。前述のように、SPLENDID21では、営業効率が5.00を超えると「天井」が設けられています。そのため、営業効率が「水平化」していきます。この「営業効率の水平化」は、「成長性」の分析の「経常利益増加率」がダウンしていく「予知機能」なのです。多くの企業は、営業効率が5.00を超えた時点で、経常利益増加率のターニングポイントをむかえてしまいます。
エヌ・ティ・ティ・ドコモの営業効率が「水平化」(上○)しているのは、素晴らしく成長したことの証明とも言えます。しかし、そのエヌ・ティ・ティ・ドコモも経常利益増加率が一時下落し、再び次の上昇に転じ、次の循環に入っていこうとしています。
経常利益増加率は、経常利益を根幹とするROE、ROA、EVA、株価、経営計画のすべてに影響することになりますので、 経常利益増加率のターニングポイントをよみとることは経営戦略上も非常に重要になります。 また、ピーター・F・ドラッカーの指摘のように、企業成長のためには、革新(イノベーション)を起こす必要がありますが、 革新(イノベーション)を起こすためには、サイクル、うねり、波動、調整期間を常に注意深く、 監視し、危機感を落とし込み、「成功の復讐」を回避することが必要です。(※「成功の復讐」…過去の成功体験に安住し、同じ手法をとることによってしっぺ返しを食らうこと)
それでは、優良企業が調整過程を迎え、下降局面に入る瞬間をSPLENDID21が「映写」している図をご覧にいれましょう。企業がうねり、波動を形成しながら、成長しているのがわかります。
あの「経営の神様」松下幸之助氏でさえも、「成功の復讐」を回避することが出来なかったと言われています。経営者の方は「営業効率の水平化」が起きたならば、必ず「成長性」の分析の「経常利益増加率」に眼を移してください。そして、部下に対して、儲かっているうちに次に続く商品を開発するよう、試験研究、開発、市場開拓を積極的に行なうよう危機感を落とし込み続けてください。
SPLENDID21NEWS第7号【2006年6月15日発行】をA3用紙でご覧になりたい方は下記をクリックしてください。