今回はソフトフェライトメーカーであるトミタ電機(本社 鳥取)を分析してみましょう。フェライトはパソコンやインターネット機器などに使用される鉄の酸化物を含んだ化合物の結晶体の集まりでできた磁性材料です。
総合評価以下の8指標は次のとおりです。
総合評価は110ポイントあたりを低空飛行しています。営業効率、資本効率、生産効率、資産効率、が軒並み赤信号領域に嵌っています。信じられないようですが、流動性は天井うち、安全性はほぼ天井に近い処を飛んでいます。
このような会社は過去の蓄積が多く、コアの営業が不振であっても、お金も内部留保も十分にあり、会社がもっているといった状況です。
当期利益でマイナスが出た分、資本が減っていっています。
安全性の指標を見てみましょう。
安全性は優良企業です。
次に、流動性の指標を見てみましょう。
これも立派な数字が並んでいます。
次は、営業効率の指標を見てみましょう。
トミタ電機(株)は、2006年は売上総利益がマイナス、2003年から2007年まで営業利益がすべてマイナスで、営業効率が総崩れの状態です。
原因は、競争激化のため、価格支配力がダウンした。商品仕入れに工夫がない。商品別の利益を計算していない。製造工程の管理がおろそかである。外注管理がなされていない。売れ筋商品を掴んでいない。新商品・サービスを開発していない。何らかの理由でブランド力が低下した。
でしょう。
まとめ
営業戦略の見直しが必要です。
今の営業効率の延長線上で経営計画を立て、SPLENDID21で分析を行うと早晩、黄信号領域、赤信号領域に突入する可能性は大でしょう。このまま放置しておくと、流動性の天井打ちが崩れ始め、それがきっかけとなり総合評価が黄信号領域に入り始めることは明白です。
2006年は、売上高増加率がマイナスであり、総資本増加率、従業員増加率がプラスです。この3指標の状況は、非常に危険なケースであり、一か八かの経営になっています。
SPLENDID21NEWS第27号【2008年2月15日発行】をA3用紙でご覧になりたい方は下記をクリックしてください。