今回は、民事再生法の適用申請を行い、石川県内を騒然とさせている真柄建設の分析を見てみよう。
2007年に悪化成り行き倍率1年がついています。あと1年で危険ゾーンに行くという警告です。
このグラフを見て倒産前のそごうを思い出しました。下がそごうの各指標のグラフです。
生産効率が天井を打っています。人員調整で分母の従業員数が減少したためですが、営業効率が上がってきません。流動性、安全性は赤信号領域にドップリ嵌ったままです。
どのような状態になった時に、会社が危険ゾーンに入ったか、警戒しなければならないか・・・というレベルをご存じの方は以外に少ないものです。真柄建設、そごうの両社は分析グラフが示す遥か以前にその時があった筈です。
SPLENDID21の分析の各指標は赤信号、青信号領域に判別しています。青信号から赤信号へ入っていく時、通常はゆでガエルになっており気づきません。その為、「何が何でも脱出しなければ」という気持ちを起こさせる為のアラームを鳴らしているのです。
2005年に92億円の当期損失、2007年に16億円、2008年に19億円の経常損失を計上しています。
自己資本比率は10%未満が常態となっていました。
真柄建設は、石川県を代表する大手企業です。突然の発表から週が明けた7月7日、県庁では谷本正憲知事、金融機関代表らが協議し、各機関は相談窓口を相次いで設置しました。負債総額348億円、取引企業2000社の大型破たんだけに、懸念される連鎖倒産への対応へあわただしい動きとなっています。
まとめ
経営する時、どうなったら危ないか、など後ろ向きの発想に見えます。しかし、倒産という事実の厳しさを思えば経営者たるもの、倒産のはるか以前に処置する行動が求められるといえます。
SPLENDID21NEWS第32号【2008年7月15日発行】をA3用紙でご覧になりたい方は下記をクリックしてください。