今回は、290円の低価格を武器に首都圏・中京圏・関西圏に、ラーメンチェーンを展開している下部式会社幸楽苑を診断してみよう。
総合評価が下落し始め、悪化成り行き倍率3年(○)が点灯しています。
営業効率は2004年までは絶好調でしたが、2005年、2006年と、売上高総利益率がほとんど変化がないにも関わらず、売上高経常利益率が下落し、営業効率が急落し始めています。販売費および一般管理費比率が上昇したことが原因です。
営業効率に関する一覧表は以下のとおりです。
同業他社、株式会社ハイデイ日高と比較してみよう。株式会社ハイデイ日高は総合評価が右肩上がりであり、成長しています。
幸楽苑は、ハイディ日高に比較して、売上高の増加スピードが速すぎます。そのため、経営効率を落としているものと推察されます。2006年度においては、幸楽苑は、売上高=288億円、経常利益=10億6千万円に対して、ハイデイ日高は、売上高=139億円、経常利益=11億7千万円となり、経常利益ベースでは、逆転しています。
まとめ
幸楽苑はグループ店舗1000店を目標に関東・中京・関西と広範囲に店舗展開を推進し、神奈川県小田原工場に加え、京都府京田辺市に工場用地を確保しました。これに対し、ハイディ日高は東京・埼玉・神奈川・千葉と関東圏に集中して出店しており、今後もこの1都3県を中心に出店を予定しています。
規模拡大をしながら企業力を落としていく幸楽苑とコンパクトにまとまりながらの成長をしているハイディ日高。幸楽苑は自社の進んでいる方向に疑問を持つでしょう。戦略を誤って拡大した後、戦術で何とかしようとするような気がします。
SPLENDID21NEWS第18号【2007年5月15日発行】をA3用紙でご覧になりたい方は下記をクリックしてください。