今回は、「NO.1インターネット・サービス・カンパニー」としての地位を不動のものにしているヤフーの分析結果を見てみましょう。
2005年9月20日の日本経済新聞に上場優良企業の総合ランキングが掲載されていますが、ヤフーは、キヤノン、トヨタに続き、第3位にランキングされています。
キヤノン・トヨタが規模の評価で得点を獲得していることを考えると、ヤフーが経営の質でいかにポイントを稼いでいるかが理解できます。
ヤフー単体をSPLENDID21で分析した結果は以下のとおりです。
生産効率が右上がりに上昇し続けています。また、売上高当期利益率が32%あります。
凄いですね。但し、営業効率が5を超して、経常利益増加率(成長性)が下落しつつあります。
ヤフーの売上の大部分は、リスティング事業、オークション事業、Yahoo! BB事業、メディア事業、ショッピング事業です。(リスティング…検索連動型(広告など))
リスティング事業 496億円の売上高で、「Yahoo!検索」等の検索サービスおよび「Yahoo!自動車」「Yahoo!不動産」「Yahoo!リクナビ」等情報掲載サービスならびに「Yahoo!地図情報」「Yahoo!電話帳」「Yahoo!グルメ」等の地域情報サービスを提供しており、情報提供元から得る情報掲載料およびスポンサーサイトによる収益の拡大を図っています。
オークション事業 360億円の売上高で、「Yahoo!オークション」において個人間の商品の売買および法人による商品の競売等の場を提供し、また、法人向けにオークションストア(法人店舗)のサポートを行なっています。
Yahoo! BB事業 195億円の売上高で、ブロードバンド関連の総合サービス「Yahoo! BB」において、主にWeb上での会員獲得およびISPサービスの一部であるメール・ホームページ作成などの提供を行なっています。
メディア事業 184億円の売上高で、利用者が欲する多様なコンテンツやサービスを提供することによりページビューを増やし、広告売上を拡大することを目指し、また同時に、コンテンツやサービスを有料で提供することを推進しています。
ショッピング事業 160億円の売上高で、信頼と実績の有名店から個性豊かな専門店まで、品揃えを充実させたオンラインショッピングサイトを提供し、また、国内外の宿泊、航空券等旅行にかかわる商品や旅行の準備をサポートする情報の提供、オンラインチケットサービスの提供などを行っています。
ヤフーは資金も潤沢です。
現金預金比率も230%です。流動性も「天井打ち」を開始しました。
まとめ
72億円の現金預金が、4年後の2006年3月には929億円に達しています。うらやましい限りですね。
2006年のヤフーのランキングは13位とランクが下がってしまいました。2004年の分析で、経常利益増加率が下落して来ていますので、その前兆は2004年に既にあったといえるでしょう。
しかし、ヤフー株式会社を設立されたのは、平成8年1月ですから、第11期にして、1545億円の売上高を達成したという結果を見ると、この10年間のインターネットの普及がいかに恐るべきスピードであったか、驚嘆せざるを得ません。
SPLENDID21NEWS第12号【2006年11月15日発行】をA3用紙でご覧になりたい方は下記をクリックしてください。