今回は、ダンス系音楽で大手レコード会社へと急成長した、エイベックス・グループ・ホールディングス (株)の診断を見てみよう。
エイベックス・グループ・ホールディングス (株)は、当初は松浦勝人(MAX松浦)氏らによって立ち上げられた輸入レコードの卸会社でした。1989年より依田巽氏を経営者として迎え入れ、松浦氏は小室哲哉氏とともにダンスと歌を融合させた音楽を1990年に急成長させました。1990年代後半から2000年代前半にかけては、TRFや安室奈美恵さんが基礎を造り、 ELTを主力とし、レコード業界での一大勢力を築き上げました。しかし、2000年代に入るとCD市場の縮小などもあり、急成長に急ブレーキがかかりマイナス成長に転じます。2001年に天井打ちしていた営業効率が急落(○)しています。2001年に悪化成り行き倍率が13年、2002年に悪化成り行き倍率が3年、2003年に悪化成り行き倍率が9年、2006年に悪化成り行き倍率あと6年と警告が出ています。
会長兼社長の依田氏は、2004年からは日本レコード協会(RIAJ)会長、日本映像ソフト協会(JVA)会長を兼任しました。 かつては山水電気の取締役を務めるなど音楽関連の経営畑の仕事を続けてきたため、業界、政界や海外への強い影響力を持っていると言われていました。 しかしながら、創業者である松浦との経営方針の対立が深刻化、松浦が退社したことで、看板歌手浜崎あゆみさんを筆頭とする所属歌手が移籍の動きを見せ、株価が暴落しました。それを受け2004年8月3日に依田は会長兼社長を辞任、名誉会長となり、これにより、松浦はエイベックスに復帰しました。
創業者松浦氏と依田氏との対立で環境への対応が遅れ総合評価が下落の一途を辿ってきました。
会社で一番大切な商品である歌手の移籍問題まで持ち上がって株価まで暴落させてしましました。
営業効率の悪化トレンドに加えて流動性は6期連続悪化しています。
まとめ
役員間でのトラブルがある会社は企業力総合評価が下がり続けます。会社は人の力を結集し、同じ方向に向かせるための組織であることを忘れてはなりません。
SPLENDID21NEWS第19号【2007年6月15日発行】をA3用紙でご覧になりたい方は下記をクリックしてください。
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